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電卓のGT

電卓のGTの使い方は?簿記検定に役立つGTの使い方を徹底解説!

簿記の資格取得を目指す中、電卓の使い方を詳しく知りたい人はいるでしょうか。電卓は簿記の資格を取る上で欠かせないアイテムですが、キーが数ある中で特に押さえておいたほうが良いのがGTというキーです。このキーを目にしたことはあっても、使い方について理解していない人もたくさんいます。ここではGTの役割や使い方をはじめ、このキーがない場合の対処法などを紹介しますので、記事を読めば簿記の資格取得にきっと役に立つでしょう。

1. 電卓のGTは何に使う?

GTは「総計」を意味するグランドトータル(Ground Total)の頭文字を取ったもので、電卓のGTは数式の小計を合算するときに使います。エクセルで使われる関数で、セル範囲を指定して合計を出すSUM関数がありますが、GTはこれと同じような機能を持っています。例えば、20×100+10×50+60×100という数式を計算するとしましょう。この場合、電卓のキーを[20][×][100][=][10][×][50][=][60][×][100][=][GT]の順序で押せば、数式の答えを出してくれます。[=]を押すごとに小計が電卓に表示されますが、GTメモリーにはそれまでの計算結果が集計されているのです。
なお、GTを二度押ししたりCAなどを押したりすると、GTメモリーは削除されるようになっています。電卓によって操作方法は異なるので、使用前に説明書をしっかり読んでおくことが大事です。

2. 電卓のGTを使えば簿記の効率が上がる!

電卓を使う際にGTを使うと、四則演算(加算・減算・乗算・除算が組み合わさった計算)がスムーズにできるようになります。例えば、200×15+300×10という数式を計算するとしましょう。電卓で数式通りに打ち込んでしまうと、四則演算の正確な答えを出すことができません。そのため、[200][×][15][+][300][×][10][=]と電卓を押した場合には、33,000と間違った答えが表示されてしまうのです。正しくは、[200][×][15][=][300][×][10][=][GT]と電卓に打ち込むことで、6,000という四則演算のルールにそった答えを導き出すことができます。
なお、GTを使わずに四則演算をするなら、200×15の答えと300×10の答えをメモする必要があり、非常に手間がかかってきます。簿記検定においては、本番で十分な時間があるとは限らないうえ、誤った数字をメモする可能性もあるかもしれません。GTを使いつつ電卓を操作したほうが、手間が少ない分効率が上がるでしょう。

3. 電卓のGTの活用例を紹介

GTについて理解はしたものの、どのようなときに使えばいいのかわからない人もいるかもしれません。この段落ではGTの活用例を具体的に3つ挙げていきます。

Ⅰ. 電卓のGTの活用例1:有価証券の計算

はじめに、有価証券の計算をする際にGTを活用できます。有価証券とは株式会社が発行する株式・社債をはじめ、国や地方公共団体が発行する国債・地方債などのことです。複数の銘柄を保有している場合、トータルの評価額(資産の現在価値)を出す際にGTは役に立ちます。例えば、時価100円のA会社の株を300株、時価2,000円のB会社の株を300株、時価800円のC会社の株を10株保有しているとしましょう。この場合、[100][×][300][=][2,000][×][300][=][800][×][10][=][GT]と電卓に入力すれば、638,000円とトータル評価額を出すことができます。
また、有価証券には移動平均法といって、同じ銘柄の有価証券を取得するたびに、一株当たりの平均単価を再計算する評価方法があります。例えば、時価100円のA会社の株を300株、その後時価150円でA会社の株を100株購入したとしましょう。移動平均法を用いた場合、[100][×][300][=][150][×][100][=][GT][÷][400]と電卓で入力すれば、112.5円と一株当たりの平均単価を出せるので便利です。

Ⅱ. 電卓のGTの活用例2:商品有高の計算

次に、商品有高を計算する場合もGTの活用例の一つです。商品有高帳は商品の仕入時・売上時に記帳するもので、単価や仕入量が異なるものをまとめて計算するのには便利なアイテムです。この帳簿を書き進めていく中、商品ごとの小計を出してから合算するのは手間がかかってしまいます。GTを使って商品有高を計算すると、個々の仕入額を算出した流れで、仕入総額を算出することも可能になります。例えば、300円の商品Aを100個、100円の商品Bを50個仕入れたとしましょう。各商品の仕入れにかかった金額と仕入総額を求めるなら、[300][×][100][=][100][×][50][=][GT]と電卓を押します。その際、[=]を押すたびにそれぞれの仕入額の合計が表示され、最後の35,000円が仕入総額になります。

Ⅲ. 電卓のGTの活用例3:減価償却費の計算

GTを減価償却費の計算で使うと非常に役に立ちます。減価償却とは1年で資産の全額を経費計上するわけではなく、耐用年数(ある一定年数)に亘って分割で経費計上することです。自動車や機械設備など高額の資産等が減価償却の対象となり、簿記ではこの減価償却費の計算が求められるケースがよくあります。耐用年数以外にも、取得原価や残存価額など押さえておく必要があり、減価償却費の計算は決して簡単なものではありません。そのため、GTを使いながらスムーズに計算できるようになる必要があります。
例えば、減価償却費を定額法で経費計上するとしましょう。定額法とは減価償却の計算方法の一つで、耐用年数に亘って毎年同じ金額だけ償却をします。この計算方法においては、取得原価×償却率で減価償却費を出すことが可能です。減価償却の対象として、150,000円のパソコンと100,000円の事務机、1,000,000円の小型車があるとしましょう。この場合、パソコンは「耐用年数4年・償却率0.25」で事務机は「耐用年数8年・償却率0.125」、小型車に関しては「耐用年数4年・償却率0.25」です。
1月にそれぞれ購入して丸1年使った場合、[150,000][×][0.25][=][100,000][×][0.125][=][1,000,000][×][0.25][=][GT]と電卓に入力します。[=]を押すごとにそれぞれの減価償却費をチェックでき、入力し終えてから表示された300,000円が、経費計上できる減価償却費の総額です。

4. 電卓にGTがない場合はどうする?

電卓によってはGTがないこともありますが、この場合にはM+(メモリープラス)を使えば問題ありません。M+とはメモリーキーの一つで、一時的に数字を記憶させたいときに使用します。他にも、M-(メモリーマイナス)やMRC(メモリーリコール)があり、簿記でM+キーとあわせてよく使うのは後者です。数式の最後にMRCを押すとこれまでのメモリーを合算して表示し、MRCを再度打つとすべてのメモリーが消去されます。
例えば、3×2+2×10という数式を計算するなら、GTを使うと[3][×][2][=][2][×][10][=][GT]と電卓に打てば26と算出されます。一方、GTがない場合には、[3][×][2][M+][2][×][10][M+][MRC]と入力すると、同じく26という答えが出るのです。GTキーがある場合の[=]と同様、M+を押すたびに小計が表示されるようになっています。

5. 電卓のGT機能を解除したいときはどうする?

電卓のGT機能は簿記の処理には役立つものの、GTというマークが電卓に表示されるのを不快に感じる人もいるかもしれません。GT機能を解除する方法は主に2つあるので、どの電卓を使うことがあってもいいよう覚えておくとよいでしょう。メーカーによっては電卓にGTのオン・オフの切り替え可能なスイッチが備わっているものがあります。そのような電卓を使っている場合には、スイッチをオフにすればGT機能を簡単に解除できるでしょう。他にも、2回続けてGTを押すとメモリー内容を削除でき、画面にGTと表示されなくなるものも出ています。
また、GTの切り替え以外にも、小数点セレクター(小数点以下の桁数を指定)やラウンドセレクター(四捨五入の切り替え)が備わっていることがあります。この2つはスライド式のつまみで、組み合わせて使うことがよくあることから、隣同士に配置されている場合がほとんどです。小数点以下を含む数式を計算するのに役立つものの、つまみを誤って動かしてしまうと正しく計算されないので注意が必要です。GTの切り替えにも言えることですが、計算が正しくできていない場合には、小数点セレクターやラウンドセレクターをチェックしてみるとよいでしょう。

電卓のGTを使いこなせば簿記の資格取得に有利!

電卓を使う中、四則演算を正確に行うだけでなく、操作の手間をカットしながらミスの軽減にもなるGT。GTは有価証券や商品有高、減価償却費などを計算する際に役立つので、簿記の資格を取得するならしっかり押さえておいたほうがよいでしょう。なお、独学で簿記の資格取得を目指すのもよいですが、より知識を深めたいなら大手資格試験予備校が主催する簿記の資格取得講座への申し込みを検討してみてはいかがでしょうか。

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