日商簿記3級独学教室 > コラム > 電卓のM+

電卓のM+

電卓のM+にはどんな機能がある?簿記に役立つM+の使い方を紹介!

簿記の資格取得のためには、電卓を使って素早く問題を解く必要があります。電卓にはM+というキーがありますが、このキーの機能を詳しく説明できる人は少ないかもしれません。正しくM+の役割を理解すれば、簿記の資格取得に大いに役立つ可能性があります。ここでは、電卓のM+の役割を紹介します。簿記に役立つM+の使い方を理解して資格を取得しましょう。

1. 電卓のM+は何ができる?

M+というキーは、メモリー機能の一つで、メモリープラスという呼び名をもちます。メモリーというのは電卓に数値を覚えこませるということで、メモリープラスであればメモリーに加えるという機能を意味します。例えば、メモリーに25を記憶させる方法を例に出して説明しましょう。[5][×][5][M+]という順番でキーを押すと電卓には25と表示され、この時点で、25という数字が電卓内に記録されています。また、[25][M+]と押した場合も、25が記録されます。頭で計算できる範囲であれば、このように数値をダイレクトに入力するとよいでしょう。キーを押す手間が省け、簿記の解答スピードが上がります。
M+を使うには、MRC(メモリーリコール)と併せて使わねばなりません。MRCを押すと、複数のメモリーの結果を足し合わせることができます。また、MRCをもう一度押すと、電卓内の全てのメモリーが消去されます。新しく計算する際に電卓内にメモリーが残っていると正しく計算できないので、MRCを必ず押すようにしてください。なお、電卓によってはMRCという名前のキーがないかもしれません。メモリーを足し合わせるメモリーリコールというキー(RMまたはMR)と、メモリーを消去するメモリークリアというキー(CMまたはMC)に、役割が分かれている電卓もあります。

2. 電卓のM+を使わないとどうなる?

電卓のM+を使わなければ、正しい計算結果が算出されません。計算のルールでは、掛け算と割り算は、足し算と引き算よりも優先されます。ところが、M+を使わなければ入力したまま計算されてしまうので、考え方にミスがなくても正しい答えを得られないのです。例えば、5×5+3×2を計算する方法を例に出して説明しましょう。もしM+を使わなければ、[5][×][5][+][3][×][2][=]と押すと、56と算出されてしまいます。M+を使えば[5][×][5][M+][3][×][2][M+][MRC]と押すと、31という正しい答えが得られます。
M+を使わなければ、手間がかかります。5×5+3×2+4×3+7×5+…=というような長い計算式を解く場合、M+を使わなければ途中で求められる掛け算の結果を、全てメモしなければなりません。メモの回数が多いほど手間がかかるだけでなく、電卓に入力するやメモをするときに間違うリスクも高まるでしょう。一方、M+を使えば個々の掛け算の結果をメモする必要がなく、最後にMRCを打つだけでスムーズに結果が得られます。

3. 電卓のM+を使えば簿記の効率が上がる!

電卓のM+を使うと正しく計算ができるだけでなく、計算がスピードアップしミスも少なくなります。簿記の問題を効率よく解けるようになるでしょう。簿記の資格取得に役立つ、M+の具体的な活用例を紹介します。

Ⅰ. 電卓のM+の活用例1:有価証券に関する計算

簿記では有価証券に関わる問題が出題されます。有価証券とは、株式会社が発行する株式や社債、国や地方公共団体が発行する国債・ 地方債のことを意味します。様々な有価証券を保有している際にトータルの評価額を求めたり、期末の帳簿価額と時価を比較して評価損益を求めたりするような問題が出題されます。有価証券の価値はそのときの相場によって変わるので計算式が複雑になりがちですが、M+を使えばスムーズに計算できるでしょう。考え方としては簡単なので、ミスをしないようにM+を使って計算すると便利です。
評価損益を求める問題を例に出してM+の使い方を説明しましょう。A会社の株を500株、B会社の株を300株保有していたとして、期末にA会社株式の帳簿価額は100円、B会社株式の帳簿価額は1,000円だったとします。ところが、期末時点でA会社の株価は150円に値上がりしたものの、B会社の株価は500円にまで値下がりしてしまいました。この場合の評価損益はどのように求めればよいでしょうか。評価損益=期末の時価-期末の帳簿価額となるように計算していきます。[150][×][500][M+][500][×][300][M+][100][×][500][M-][1,000][×][300][M-][MRC]と押すと、-12,5000円と算出されるので、全体的に125,000円の評価損であるという答えが得られます。ここで、M-というキーが出てきましたが、これはメモリーマイナスといって、電卓のメモリーから差し引くという役割をもっています。M+とM-を組み合わせて使うと複雑な計算でもスムーズにできるので、是非メモリー機能をマスターしてください。

Ⅱ. 電卓のM+の活用例2:商品有高帳に関する計算

商品有高帳とは、商品の仕入や売上時に記帳するものです。単価や仕入量が異なるものをまとめて計算するのにメモリー機能は便利です。個々の仕入額を算出した流れで仕入総額も求められるので、商品有高帳の穴埋め問題が出たときなどに活用しましょう。例えば、350円の商品Aを120個、130円の商品Bを50個仕入れた場合で、それぞれの仕入にかかった金額と、仕入総額を求める場合を考えてみます。[350][×][120][M+][130][×][50][M+][MRC]と押すと、48,500と算出されます。これで、仕入総額は48,500円であると分かりました。なお、この計算をする際、M+を押すたびに42,000、6,500と電卓に表示されていたはずです。それらは商品AとB、個別の仕入金額に相当するので、その都度商品有高帳にメモしておきましょう。

4. 電卓のM+を使う際の注意点は?

メモリーキーにはM+のほか、M-、MRC、MR、RM、MC、CMなどというキーがあるので正しく違いを理解せねばなりません。メーカーによって電卓上のキーの名称は異なります。特にメモリーを合算したり消去したりする機能を持つキーの名称が異なるので、混同しないようにしましょう。例えば、カシオ製電卓では、M+、M-、MR、MC、MRCが使われているのに対し、シャープ製ではM+、M-、RM、CM、R.CMとなっています。使い慣れていないメーカーの電卓を使うと、キーを混同したり、押し間違えたりするかもしれないので簿記検定のときにはいつも使っている電卓を必ず持って行きましょう。
メモリーを完全に消去することも重要です。メモリーを完全に消去するにはMRCを二度押ししたり、MC、CMを押したりします。AC、またはCAキーでは表示されている数値は消えたとしても、メモリーが消去されない場合もあります。なお、カシオ製電卓はACを押してもメモリーは残りますが、シャープではCAを押すとメモリーも消去されるといったように、メーカーごとの違いもあります。また、数式の見た目に引っ張られた結果、M+とM-を間違って使う人もいます。例えば、30×50-100×20を計算する際の正しい入力方法は、[30][×][50][M+][100][×][20][M-][MRC]です。式の見た目にまどわされ、[30][×][50][M-][100][×][20][MRC]などと打つのは間違いなので気をつけましょう。

5. 電卓のM+とGTはどう違う?

GTというキーがある電卓もあります。GTはグランドトータルといって、M+と似たように数値を記録し、足し合わせる役割があります。GTがついていない電卓もありますが、M+で代用可能なので大きな問題はないでしょう。GTは=と組み合わせて使うのがポイントです。例えば、5×5+3×2を計算するには、[5][×][5][=][3][×][2][=][GT]と入力すると、31と算出されます。=を押すたびに、25、6と個別の掛け算が表示されるところもM+を使った計算と大差ありません。M+とGTを使い分けるには、引き算が混じっているときが効果的です。5×5+3×2-4×3など引き算が混じった式の場合はM+とM-を使い、足し算のみの場合はGTを使って計算するとよいでしょう。注意点としては、GTメモリーを消去するには、GTを二度押しするということです。電卓によっては、CAなどを押してもメモリーを消去できる場合があります。

簿記の資格取得の対策として電卓のM+を使いこなそう!

電卓のM+を使うと、四則演算を正しく計算できるだけでなく、計算の手間を省きミスを減らせます。メモを取る時間が必要なくなるので、問題を解くスピードも速くなるでしょう。M+は有価証券や商品有高帳に関わる計算などに応用できるため、簿記の資格取得のためにマスターしたほうが有利です。簿記の資格取得を目指すには、大手予備校の簿記講座を利用して勉強するのもおすすめです。大手予備校の簿記講座への申し込みを検討してみて下さい。

このページの上へ