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初心者の独学勉強法

初心者でも独学で勉強して合格できる資格、日商簿記3級!

ステップアップしたい、就職や転職に有利など、理由は様々でしょうが、何か資格を取得したいと考えた時に、初心者が独学で取得するのにおすすめの資格が、日商簿記3級です。

1. 資格試験初心者に対して日商簿記3級の独学をおすすめする理由

資格試験初心者に対して日商簿記3級をおすすめする理由、しかも独学をおすすめする理由は、次の通りです。

Ⅰ 初心者におすすめの理由

資格試験初心者に日商簿記3級をおすすめする理由は、下記の通りです。
(1)標準的な勉強時間が、60時間~80時間(1~3ヶ月)です。
(2)資格試験が、2月・6月・11月と年3回あります。
(3)資格試験の試験範囲もテキスト・問題集・過去問が各1冊でお手頃なボリュームです。
(4)日商簿記3級は、算数のレベルで理解でき、数学の知識は不要です。
(5)資格試験の合格率が40%~50%と難易度としても初心者向きです。
(6)日商簿記3級の教材は、1,000円~2,000円と安価で経済的負担が少ないです。
(7)日商簿記3級の資格試験は全国の商工会議所などで行われるため、試験会場の選択肢も多いです。
(8)初心者でも簿記の基礎的な仕組みや考え方が完全に身に付いて、貸借対照表・損益計算書を数字で理解することができるようになります。

Ⅱ 独学をおすすめする理由

資格試験初心者に対して独学をおすすめする理由は、下記の通りです。
(1)初心者が独学でも理解できる大手資格試験予備校が出版する日商簿記3級用の多数のテキスト・問題集・過去問・予想問題集・DVDがあります。
(2)日商簿記3級は解答が殆ど数字ですので、独学でも自分の解答の成否がすぐに解ります。論文形式の資格試験のように先生に添削してもらわなくても大丈夫です。
(3)初心者でも独学だと自分のペースで進められるうえ、資格試験予備校への通学時間や交通費が節約できます。
(4)テキストで理解した内容について、問題集で問題を繰り返し解くというアウトプット重視の勉強をすれば、大手資格試験予備校に通わずに合格できます。
(5)商工会議所が発表する合格者数と大手資格試験予備校が発表する自校の合格者数を比較した結果、合格者のうち8割以上が独学で合格していると推定されます。

2. 初心者が独学で日商簿記3級を受験するための準備

初心者が独学で日商簿記3級を受験するための準備には、当然ですが、次の2つがあります。
(1)電卓を用意する
(2)テキスト・問題集・過去問の購入
(1)・(2)それぞれに下記の注意点がありますので、留意して下さい。

Ⅰ 電卓を用意する

電卓は、慣れるためにも最初から日商簿記3級の資格試験で使用を認められた機能を有するものを用意することをおすすめします。初心者でも簿記の問題を解いているうちに電卓操作も自然に早くなります。電卓操作に慣れてくると早打ちになります。早打ち対応の電卓でない場合、電卓の反応が遅くて答えを間違う可能性がありますので、最初から早打ち対応の電卓を購入することをおすすめします。

Ⅱ テキスト・問題集・過去問の購入

初心者が独学で日商簿記3級に合格するためのテキスト・問題集選びのポイントは次の通りです。

a. テキストの表示と帯を見て新出題区分対応書籍になっているか確認すること

日商簿記3級は、定期的に出題範囲(試験範囲)が更新されます。必ず最新の出題範囲(試験範囲)に対応した書籍を購入して下さい。書籍の帯に「新出題区分対応書籍」を記載されている書籍が良いでしょう。出題区分の改訂があった場合、追加論点は出題される可能性が高い点に留意して下さい。

b. いつ出版されたか確認すること。

書籍の奧附(最終頁)で出版年月日を確認して最新版を購入することをおすすめします。TAC出版の場合2月下旬に日商簿記3級の最新版が発行されます。

c. 日商簿記3級の試験範囲を全てカバーしていること

日商簿記3級の導入部分のみで実際の試験範囲をカバーしていないテキスト・問題集は使用しないで下さい。最新の試験範囲は商工会議所のWebサイトに記載があります。

d. 同じシリーズのテキスト・問題集・過去問を購入すること

初心者が日商簿記3級を独学で勉強するために必ず必要なのがテキスト・問題集・過去問です。テキストの内容を復習するために問題集もそろえて下さい。問題集は、テキストと同じシリーズのものをテキストと同時に購入して下さい。テキストの内容に対応した問題を解いていくと、効率よく勉強できます。

e. テキストの中身をざっと最後まで見ること

初心者向きの良い日商簿記3級のテキストがいくつも出版されています。特におすすめのテキストは大手資格試験予備校である「資格の学校TAC」の講師陣が著者のテキストですが、さらに重視したいのが、ご自分の勉強方法にあった生理的に気に入るテキストを選ぶということです。初心者でも独学で日商簿記3級の合格を目指すなら、必ず手に取ってご自分でテキストを選んで下さい。

f. イラストや図表が充実していること

イラストや図表が充実したテキストは、日商簿記3級を独学で勉強する初心者にとって、理解がしやすいうえ、忘れにくいので非常におすすめです。

g. 事業活動がイメージしやすいこと

イラストや図表の充実とも関係しますが、イラストや図表の解説が分かりやすいテキストは事業活動がイメージしやすく、結果、簿記の仕訳の意味が理解しやすいのでおすすめです。

h. ポイントを押さえ、上手に整理されている

資格試験である日商簿記3級の出題範囲を初心者が効率的に勉強するためには、出題範囲のポイントを押さえて、上手に整理されているテキストが欠かせません。大手資格試験予備校のテキストはこの点において優れています。

i. 薄くて文章量が少ないこと

ポイントを押さえ、上手に整理されているテキストは、文章量が少ないことが多いです。余分な文章は初心者にとって無駄な勉強時間を消費させます。

j. 本試験のレベルに対応していること

基礎的な問題や解答を初心者に分かりやすく解説しているテキストや問題集であっても本試験レベルの問題やこれに対応した解答・解説が無いものは避けるべきです。あくまで目標は日商簿記3級合格です。

k. 動画は必須ではないが、無いより有った方が良い

初心者が日商簿記3級を勉強するために動画は必須とまでは言えませんが、動画は大手資格試験予備校の教室講座の様な臨場感があり、より理解が進みますので、無いより有った方が良いと言えます。

l. 解答の解説が充実していること

問題に対して単に解答を記載しているだけのテキストや問題集では、初心者が勉強するテキスト・問題集としてふさわしくありません。何故その解答になるかという解説が充実しているテキスト・問題集がおすすめです。

m. 最新の問題を中心に収録されていること

最新の問題を中心に収録されているテキスト・問題集を選んで下さい。既に試験範囲から外れた内容を収録しているテキスト・問題集は選択しないで下さい。

n. 試験本番の解法がレクチャーされていること

総合問題に対する試験本番の解法がレクチャーされていることが非常に重要です。

o. 過去問は試験本番と同じ大きさの問題用紙と解答用紙を備えたもの

過去問は必須ですが、日商簿記3級は資格試験の範囲が改定されることもありますので、最新の過去問を手に入れるために、テキストや問題集の勉強を一通り終えた後に購入することをおすすめします。なお、試験本番と同じ大きさの問題用紙と解答用紙を備えたものが望ましいです。
予想問題集は時間に余裕がある場合に限って購入することをおすすめします。過去問を3回程度解くまで勉強して、制限時間内にほぼ完璧に正解できるようになり、かつ日商簿記3級の試験日まで最低でも1週間以上の勉強時間に余裕がある場合だけで良いと思います。予想問題集の購入は、勉強する直前をおすすめします。日商簿記3級の資格試験の範囲が改定された場合、それに対応している予想問題集が出版されるのはどうしても遅くなります。

3. 初心者がやってはいけない勉強法

Ⅰ. テキストや問題集をそれぞれ複数冊購入する。

テキストや問題集は日商簿記3級の試験範囲が全て網羅されているものを各1冊繰り返し解いて勉強することをおすすめします。過去問も過去数回分が収録されているものを1冊購入すれば十分です。日商簿記3級の合格に必要なテキストなどは、テキスト・問題集・過去問で合計3冊と覚えておいて下さい。日商簿記3級の場合、試験範囲を全て網羅しているテキスト・問題集・過去問が多数の出版社から発売されています。複数のテキストをつまみ食いするよりも、一冊を丁寧に繰り返し勉強した方が、圧倒的に効率が良いです。問題集・過去問についても同じことが言えます。

Ⅱ. 異なるシリーズのテキスト・問題集・過去問を購入する

テキスト・問題集・過去問は同じシリーズのものを選んで購入することをおすすめします。特に異なるシリーズのテキストと問題集を選択して勉強した場合、テキストで理解した順番で問題集を簿記の問題を解くことができませんので、勉強の効率が悪くなります。

Ⅲ. サブノートの作成

簿記の初心者の中にはサブノートを作成する受験生がいますが、サブノートを作成する時間があれば、必要なメモは、直接テキストに書き込んで下さい。簿記の勉強において最も時間を割くべき重要なポイントは、実際に簿記の問題を解くことです。綺麗なサブノートを作成しても、実際に制限時間内で簿記の問題を解く力にはなりません。簿記の問題を解く前提となるテキストに記載されている仕訳の理解にどうしても必要なメモだけをテキストに書き入れたら、直ぐに繰り返し簿記の問題を解くようにして下さい。

4. 初心者におすすめ独学勉強法

独学の場合、勉強していく過程で、初心者でも質問をする人がいません。ですから、テキストの説明に対する疑問点にダイレクトに回答を得ることができないため、ネットで調べたりすることになり、多少時間がかかりますが、確実に自分の力になります。
しかし、資格試験の勉強は、効率を重視する必要があります。初心者の方が、いきなり日商簿記3級を独学で勉強するのは、不安もあることでしょう。そこで、初心者の方におすすめの日商簿記3級の独学の勉強法をお教えしたいと思います。私が独学で勉強した方法と、後に“ああすればよかった”と思った方法を組み合わせました。他人の勉強法は、あくまでも参考ですが、独学の初心者のお役に立てたなら幸いです。

Ⅰ 勉強スケジュール

独学による資格取得の勉強は、“モチベーションをいかに持続するか”ということが、なにより大切です。資格試験当日まで勉強時間が4ヶ月以上もある場合は、日商簿記3級だけでは長すぎます。逆に初心者にとって1ヶ月未満では勉強時間が足りません。独学での理想の勉強時間は3ヶ月です。
日商簿記3級では、受験までに使える勉強時間を大まかに二つに分けます。主にテキストを勉強する時間と過去問を中心とした受験テクニックを磨く時間です。過去問などの問題を解く予定は、時間数よりも日数で立てて下さい。最低でも2週間前から、できれば1ヵ月前からをおすすめします。それ以上長いとだれてしまいます。
残りの時間(1ヶ月~2ヶ月)が、テキストを勉強する時間です。テキストの目次で時間を割り振っていきます。テキストの内容も大きく三つにわかれます。
(1)個別の仕訳の項目
(2)帳簿の作成方法
(3)決算整理・試算表・精算表といった簿記全体の仕組み
決算整理・試算表・精算表などは、ボリュームも多いため、初心者は、勉強時間を多めに取ることをおすすめします。
また、1週間のうち1日を勉強が予定より遅れた場合に遅れを取り戻すための予備日にするため、予め週6日で勉強の計画を立てることが重要です。

Ⅱ 日商簿記3級の独学による勉強の流れ
a 前半戦 テキスト編

テキストの導入部分である「はじめに」や「このテキストの使い方」などといった部分は、初心者なら必ず読むことをおすすめします。テキストによって色々なことが書いてあります。例えば、受験テクニック・簿記の理解に役立つ知識・予想問題のプレゼントなどが書いてあります。
そして、ざっと目次に目を通すこともおすすめします。先ずは日商簿記3級の資格試験の範囲の全体像を把握して下さい。
次に、テキストの本文に入ります。テキストは、複数のテキストに手を出さず、同じ1冊を何度も繰り返して使用して下さい。何ページのどの辺りに書いてあったといった視覚的な記憶やテキストに書かれている順番などの記憶も独学による勉強を助けてくれます。初心者でも同じ文章を繰り返し読むことで、記憶も定着しやすくなります。
テキストを熟読し、大切な部分にマーカーで線を引くなど手を使った作業をしていきますが、分からないことや何となくしっくりこないこともあると思います。そういった場合は、とりあえずテキストに印を付けるなりして、とばして読み進めることをおすすめします。初心者にとって先に日商簿記3級の全体像を把握したほうが、理解が早まりますし、後でとばして読み進めた部分が理解できるようになってきます。日商簿記3級の資格試験の範囲の全体像の把握をしておくことで、独学による勉強のペース配分もつかみやすくなります。
テキストの内容に対応するテキスト内の問題又はテキストに対応する同じシリーズの問題集を繰り返し手で書いて解いて下さい。記憶は、アウトプットによって定着します。初心者が日商簿記3級を独学で勉強する場合、いくつも違った問題を解くよりも同じ問題を繰り返し手で書いて解くことをおすすめします。
そして、翌日に昨日勉強した問題をもう一度手で書いて解いて下さい。記憶の定着が格段に違います。 短い勉強時間でも相当の効果が望めます。さらに、勉強の内容を定着させると、次の項目の勉強の理解も深まります。ある程度記憶を定着させないと次々と理解が難しくなってきます。“あれっ”と思ったらもう一度テキストを読んだうえで、簿記の問題を手で書いて解くことをおすすめします。テキストを再度読み、簿記の問題を再度手で書いて解くと、頭で記憶するというより、手が覚えるようになり、初心者でも条件反射的に簿記の問題を解けるようになります。少し余裕のある方は隙間時間にゲーム感覚でアプリによる復習もおすすめします。

b 後半戦 過去問編

日商簿記3級も資格試験である以上、初心者であっても、独学であっても、合格する勉強をするのみです。
日商簿記3級の試験本番と同じ要領で、解答を作成する練習をしましょう。初心者でも先ずは日商簿記3級の過去問全体を制限時間内で解くことをおすすめします。
この時、ご自分の使いやすいように、電卓・問題用紙・解答用紙のレイアウトを考え、効率よく解答をするテクニックを身に着けて下さい。
8割~10割の点が取れなかった場合は、テキストの内容について勉強不足の可能性があります。間違ったところは、解説を読み、テキストを読み返しましょう。さらに、間違えた問題を何度か繰り返し解くことをおすすめします。
納得がいったところで、もう一度同じ過去問全体について制限時間内で解いて下さい。初心者は、ほぼ満点が取れるまで、同じ作業を繰り返すことをおすすめします。満点の場合でも、同じ過去問全体を2回は続けて解くことをおすすめします。
予想問題集は、過去問を3回程度繰り返し解いて、かつ、ほぼ満点近くまで解答できるようになって資格試験の当日まで1週間以上の勉強時間の余裕がある方に限っておすすめします。
過去問を解いていくことは、日商簿記3級の受験に役立つだけではありません。過去問を解いているうちに簿記一巡の仕組みが身についてきます。日商簿記2級・1級へ進んでも、仕組みは基本的にこのまま同じです。日商簿記3級の過去問で勉強をするうちに、簿記の大きな流れの基本が身につきます。資格が手に入るだけではなく、簿記の基本的な考え方を手に入れることができるのです。

c. 本試験直前 模擬試験編

日商簿記3級を独学で勉強して合格しようとする場合、本試験と類似の緊張感が漂う大手資格試験予備校が主催する模擬試験を受けることが重要です。制限時間内で過去問を合格点以上の得点で解答できるようになっても、本試験で緊張感から実力が発揮できなければ意味がありません。本試験は勿論、模擬試験でもできる問題から解くという習慣を身につけるよう心掛けて下さい。

5. 大手資格試験予備校の利用

大手資格試験予備校は受験勉強の進捗管理を担ってくれます。計画的な勉強をする自信がない又は疑問点を直接講師に質問したい人で、受講料を支払える方は、独学より費用がかかりますが、大手資格試験予備校の力を借りることをおすすめします。

日商簿記2級の独学勉強法

日商簿記2級の独学合格は「工業簿記」を攻略できるか否かにかかっています。日商簿記2級は、合格までに必要な勉強時間と比較して就職時・転職時のメリット大きく、コスパが良いと言われています。日商簿記3級と比べると難易度は上がりますが、努力次第で誰でも独学で合格可能な資格試験です。
勉強時間が多くとれる学生さんなど、余力があって興味がある方は、是非一度挑戦して下さい。

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