日商簿記3級独学教室 > 簿記会計用語集 > た行 > 中間財務諸表(ちゅうかんざいむしょひょう)

中間財務諸表(ちゅうかんざいむしょひょう)

中間財務諸表の定義

中間財務諸表は、中間会計期間を対象とした企業及び企業グループの財政状態及び経営成績並びにキャッシュ・フローの状況を表示する財務諸表です。下記では、中間財務諸表の種類・中間財務諸表作成基準の一般原則、中間連結財務諸表作成基準の一般原則、中間財務諸表の性格等について説明します。

1. 中間財務諸表の種類

企業の中間財務諸表には、中間貸借対照表、中間損益計算書、中間株主資本等変動計算書、中間キャッシュ・フロー計算書があります。
また、企業グループ全体の中間連結財務諸表には、中間連結貸借対照表、中間連結損益計算書、中間連結株主資本等変動計算書、中間連結キャッシュ・フロー計算書があります。

2. 中間財務諸表作成基準の一般原則

Ⅰ. 有用性の原則

中間財務諸表は、中間会計期間に係る企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関し、有用な情報を提供するものでなければならない。

Ⅱ. 継続性の原則

前事業年度において採用した会計処理の原則及び手続は、中間会計期間においてこれを継続して適用し、みだりに変更してはならない。

3. 中間連結財務諸表作成基準の一般原則

Ⅰ. 有用性の原則

中間連結財務諸表は、中間会計期間に係る企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関し、有用な情報を提供するものでなければならない。 

Ⅱ. 基準性の原則

中間連結財務諸表は、企業集団に属する親会社及び子会社が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成した中間財務諸表を基礎として作成しなければならない。

Ⅲ. 継続性の原則

前事業年度において連結財務諸表を作成するために採用した会計処理の原則及び手続は、中間会計期間においてこれを継続して適用し、みだりに変更してはならない。

4. 中間財務諸表の性格

中間財務諸表の性格には、「実績主義」と「予測主義」という2つの考え方があります。

Ⅰ. 実績主義

実績主義とは、中間会計期間を事業年度と同じ一会計期間とみなして、原則として事業年度の財務諸表と同じ会計基準を適用して中間財務諸表を作成することにより、中間会計期間における企業及び企業グループの財政状態及び経営成績並びにキャッシュ・フローの状況に関する情報を提供するものと捉える考え方です。

Ⅱ. 予測主義

予測主義とは、中間会計期間を事業年度の一構成部分と位置付け、部分的には事業年度の財務諸表とは異なる会計基準を適用して中間財務諸表を作成することにより、当該中間会計期間を含む事業年度における企業及び企業グループの業績予測に資する情報を提供するものと捉える考え方です。

5. 中間財務諸表作成に実績主義が採用されている理由

予測主義よりも実績主義の方が、事業年度の財務諸表と同じの会計基準により中間財務諸表を作成できることから、実務上の会計処理が明確であるため、会計処理における企業側の恣意的判断を排除することができます。
実績主義により中間会計期間における企業及び企業グループの財政状態及び経営成績の実績を明らかにする方が、予測主義による企業側の恣意性の入った業績予測に関する情報提供するよりも、投資家に対して企業及び企業グループの将来の業績予測に有用な情報を提供できると考えられています。

このページの上へ