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経理の資格

経理の資格

経理といえば、企業のお金を動かす仕事です。そのため、経理の仕事をする上で、専門的な知識が必要な場面は多くあります。そこで、経理の仕事に役立つ資格があると、もっと仕事がスムーズに進むでしょう。経理の資格があれば、就職や転職等でも有利となります。この記事では、そんな経理の仕事をする上で、役に立つおすすめの資格を3つ紹介します。

1. 経理の主な仕事内容を確認しておこう!

経理といえば、お金を扱う仕事というイメージを持っている方が多いかもしれません。実際に経理では、会社の預貯金や小口現金の管理、仕入や売上の管理をしています。また、社員の給与や保険料の計算をしたり、会社の税金を計算して納めたりするのも経理の仕事です。大まかにいえば、お金の流れを管理する仕事ですが、出納管理・経費精算・売上集計と、毎日やることはたくさんあります。業務内容は多岐に渡るため、スケジュール管理をしながらこなさなくてはいけませんが、その分やりがいのある仕事です。
経理の仕事は、毎日こなさなくてはならない業務の他に、日によって行う業務と、月次業務や年次業務があります。日常業務は、主に預金や小口現金の管理で、合間に帳簿の記入や伝票等の管理もしなければいけません。その他、毎日ではありませんが、適宜仕入や売上を計上したり、領収書や請求書の発行をしたりします。また、領収書の精算をする等の経費支払いについても、経理がその都度行う業務となります。
経理の仕事は、どこに勤めるかによっても、担当する業務内容が変わります。もし、大企業や上場企業で経理の仕事をするなら、従業員数や扱う金額も大きいため、仕事は分業されていることがほとんどです。しかし、中小企業等では、一人で経理全般の仕事を対応することも珍しくありません。他にも、外資系企業なら外国語が話せなくてはいけなかったり、子会社であれば親会社に報告できる知識が必要だったりします。
経理の仕事は、業務内容が複雑なために、マルチに活躍できる人が求められているのです。経理の仕事をするためには、資格が必須というわけではありません。しかし、企業は色々なスキルを身に付けている人を求めているので、資格を取得しておいて損はないといえるでしょう。

2. 経理の仕事におすすめの資格1:日商簿記検定

経理の仕事をするなら、経理に必要な基礎知識力を測れる「日商簿記検定」がおすすめです。日本商工会議所が実施している資格試験で、経理の資格としては最も認知度が高いといえるでしょう。初級から始まり、3級から1級へと上がるにつれて、試験の難易度は高くなります。経理として仕事をするのであれば、2級以上は目指したいところです。受験資格に制限はないため、中には高校生のうちから取得する人もいます。日商簿記検定の3級と2級の試験は、年3回実施されているので、努力次第では年内に取得することも可能な検定です。
日商簿記検定の3級は、経理の初歩的な実務が行えるレベルで、資格取得のためには60時間~80時間相当の学習時間が必要だとされています。経理内容が把握できるレベルの2級を取得したいのであれば、150時間~200時間相当の学習時間は確保したいところです。さらに、会計士や税理士を目指す人は、日商簿記検定1級を受けています。一般的な経理の実務を行う知識のレベルよりも、さらに経営管理や財務分析まで行えるような知識を身に付けたいなら、1級に挑戦すると良いでしょう。
まずは、日商簿記2級の取得を目指して、3級から受験するのがおすすめです。日商簿記の資格を重視している企業は多いので、就職する時の書類選考で有利となります。また、既に経理の仕事をしている人でも、日商簿記の資格を取得することで、企業によっては昇給する可能性もあります。経理の資格を取得したいなら、まずは日商簿記を受けてみると良いでしょう。

3. 経理の仕事におすすめの資格2:FASS検定

経理の実務スキルを高めるために、おすすめの資格がFASS検定です。FASS検定は、Finance Accounting Skill Standardの略称で、経理の基礎知識が問われる日商簿記検定よりも、より実務スキルを問う資格となります。FASS検定は、これから経理の実務に従事する人か、もしくは既に経理の実務をしている人を対象とした試験となっています。経済産業省が発案し、50社の先進企業の経理や財務幹部が集まって開発した検定で、日本CFO協会によって実施されています。FASS検定では、日商簿記検定のように、合否の結果は出ません。英語検定のTOEICのような採点方式で、AからEレベルに分けて評価されます。
分野ごとの達成度も採点されるので、これから何を習得するべきか、自分には何が足りないのかが確認できて重宝します。これから、経理の仕事につく人は自分の力を事前に知ることができ、既に経理に携わっている人は今後の指針となるでしょう。FASS検定の試験科目は、資産・決算・税務・資金の4種類が出題されており、会社で動くお金の流れについて理解がないと高スコアは狙えません。FASS検定の受験者数は累計5万4000人を超え、既に経理で働いている人が、スキルアップするための資格として人気です。
FASS検定が受けられるのは年2回までで、上期と下期に分けて試験が行われています。同じ時期の試験は続けて受けられないため、下期の試験を受けた人は、また翌年の上期に試験が受けられます。3日前までに予約をすれば、好きなタイミングで試験に臨めるため、ある程度知識やスキルが身に付いたと思ったら、力試しに受けてみるのも良いでしょう。日商簿記検定のような知識に関する検定を受けた上で、実務能力を測れるFASS検定を受けるのがおすすめです。

4. 経理の仕事におすすめの資格3:給与計算実務能力検定

企業で経理の仕事に従事するなら、必ずといって良いほど給与計算の業務をすることになります。そんな経理の給与計算の仕事をするときに役立つのが、内閣府が許可する団体が実施している給与計算実務能力検定です。給与計算実務能力検定は、受験に制限がなく誰でも受けられます。検定は2つのレベルに分かれていて、2級と1級の検定があります。
2級は基礎の労務コンプライアンスについて理解があり、給与明細を作成できるレベルの資格です。それに対して、1級は複雑な給与体系やイレギュラーな給与体系にも対応可能なレベルとなっています。給与計算はどの企業でも必須業務であるため、給与計算実務能力検定の資格を持っている方が良いといえます。ただし、給与計算実務能力検定に合格した後は、2年ごとに資格更新の必要があり、その都度更新料がかかるので注意しましょう。
給与計算や税金についてと、労働に関する法令の知識力を測る検定なので、実務に直結する資格です。資格をもっていれば、就職や転職時に有利となり、また昇給やスキルアップが期待できるのです。また、給与計算実務能力検定で学んだことが、社会保険労務士等の他資格取得にもつながります。給与計算実務能力検定は、まずは経理の基礎知識である簿記検定を取得してから、挑戦するのが良いでしょう。給与計算の実務に特化した資格なので、簿記検定よりも優先度は低いといえるのです。簿記検定を取得した人で、就職や転職のときに履歴書にかける資格が欲しいという人に、給与計算実務能力検定はおすすめの資格といえます。

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