日商簿記3級独学教室 > コラム > 簿記の帳簿

簿記の帳簿

簿記の基本の「キ」、帳簿とは?帳簿の種類と特徴を徹底解説!

簿記の資格を取得するためには、帳簿に関する知識が必要不可欠です。帳簿には記録する内容によっていくつかの種類があります。業種によって必要な帳簿は異なり、必ずしも全ての帳簿をつけなければならないとは限りません。そこで、簿記の資格取得を目指している人や、帳簿の基礎を勉強したい人のために、帳簿の種類や特徴について解説します

1. 簿記の帳簿とは?

帳簿とは、簡単にいうと日々の取引内容を記録したノートのようなものです。帳簿には大きく分けて主要簿と補助簿の2種類があります。さらに、主要簿、補助簿それぞれに複数の種類が存在し、それぞれに違った役割を果たしているのです。主要簿は会社の取引を記録するための帳簿として、業種に関係なく全ての企業が作成する必要があります。一方、補助簿は各々の企業が状況に応じて作るため、必ず作成しなければならないと決まっているわけではありません。

2. 簿記の帳簿の種類【主要簿】

主要簿は貸借対照表や損益計算書を作成するために必要な帳簿です。主要簿には仕訳帳と総勘定元帳の2種類があります。いずれも会社法976条という法律により作成が義務づけられている帳簿です。万が一、主要簿に記録するべき内容が正確に記されていなかったり、虚偽の記載を行ったりすると、100万円以下の罰金が課される場合があります。

Ⅰ. 主要簿1:仕訳帳

簿記における仕訳帳とは、日々発生する全ての取引を日付順に記録した帳簿です。仕訳帳には日付や摘要、元丁、借方、貸方という欄があります。日付は取引が発生した日、摘要欄は勘定科目と取引の内容を記録するための欄です。元丁には取引内容を総勘定元帳へ転記した際のページ数を記入します。借方と貸方は、共に金額を記入するための欄です。費用が発生した場合や、資産が増えた場合は借方に記入します。一方、収益が発生したり、純資産や負債が増えたりした場合は、貸方への記入が必要です。

Ⅱ. 主要簿2:総勘定元帳

簿記における総勘定元帳とは、仕訳帳に記録した取引内容を、勘定科目ごとにまとめた帳簿です。総勘定元帳には標準式と残高式の2種類があり、帳簿のレイアウトに違いがあります。標準式はページの中心から左側が摘要欄と借方、右側が摘要欄と貸方の記入欄になっているのが特徴です。残高欄はありません。一方、残高式は、摘要欄が一つで、摘要欄の右に借方と貸方の記入欄があり、残高欄で残高金額が一目で確認できます。なお、標準式と残高式は記入の方法が異なるだけで、結果はどちらも同じです。さらに、仕訳帳は日付順に記入するのに対し、総勘定元帳は勘定科目順に並んでいます。

3. 簿記の帳簿の種類【補助簿】

補助簿とは、主要簿だけでは記録しきれない情報を補うために作成する帳簿です。全ての取引に補助簿が必要というわけではなく、それぞれの企業が必要に応じて使い分けているのが特徴です。補助簿には現金出納帳や当座預金出納帳のようにお金の出入りを管理する帳簿や売上を記録する売上帳、仕入を記録する仕入帳など、様々な種類の帳簿があります。記入方式は帳簿ごとに異なるものの、結果はいずれも同じです。

Ⅰ. 補助簿1:現金出納帳

現金出納帳は、現金の入金と出金の明細を記録するための帳簿です。現金とは、日常的に使用する紙幣や硬貨などの通貨を意味します。簿記では、例えば、仕入れた商品の代金を現金で支払ったり、売上を現金で受け取ったりした場合は、現金出納帳に記録しなければいけません。現金出納帳には日付と摘要、収入、支出、残高という5つの欄があります。日付は取引が発生した日付、摘要は取引の内容を記録する欄です。現金が増えたときは収入、減ったときは支出に、増減した金額を書きます。残高は手元に残っている現金の金額を記入する欄です。現金出納帳を見れば、現金の取引と残高を一覧で把握できます。

Ⅱ. 補助簿2:当座預金出納帳

当座預金出納帳は、当座預金の預け入れと引き出しを行った際に、明細を記録するための帳簿です。簿記では、当座預金出納帳を確認すれば、当座預金の取引と残高が一覧で分かります。当座預金とは、企業や事業者が支払決済を行う際に使用する無利息の預金です。これには日付と摘要のほか、小切手番号や預入、引出、借方または貸方、残高という欄があります。当座預金にお金を預け入れた場合は預入、お金を引き出した場合は引出に金額を記入しましょう。なお、借方または貸方の欄は、残高の金額によって記入する内容が異なります。残高がプラスであれば「借」、マイナスなら「貸」を記入する決まりです。残高には口座に残っている金額を記入します。

Ⅲ. 補助簿3:小口現金出納帳

小口現金とは、電車賃や切手代など、少額の支払いのために前もって渡される現金のことです。簿記では、小口現金出納帳に小口現金の使い道や金額を記録します。これには日付や摘要、支払金額のほか、支払内訳を記入しなければならないのが特徴です。支払内訳の欄には交通費や通信費、消耗品費などの項目が設けられており、勘定科目ごとに金額を記入します。たとえば、電車賃を支払った場合は、摘要の欄に「電車賃」、支払金額の欄に金額を記入した後、支払内訳の「交通費」の欄にもう一度支払金額を同じ金額を記入すれば良いのです。

Ⅳ. 補助簿4:支払手形記入帳

商品売買などの取引を行う際は、現金の代わりに「手形」で支払われることがあります。簿記では、手形を使って取引を行った場合は、支払手形記入帳に取引の内容を記録します。これをつけていれば、支払手形の受取人や振出人、手形の決済が完了しているかといった情報が一覧で分かります。支払手形記入帳を作成する際は、取引が発生した日付、手形の種類、手形番号、受取人や振出人の名前を記入します。振出日には手形を振り出した日付、満期には手形が決済される日付を書きましょう。支払場所となる金融機関名と手形の金額、てん末の欄を記入すれば完了です。てん末には決済日の日付と決済方法を記入しますが、決済が完了していなければ空欄のままでも問題はありません。

Ⅴ. 補助簿5:受取手形記入帳

受取手形記入帳とは、手形で支払われた代金を受け取った場合に記入するための帳簿です。簿記では、受取手形記入帳を作成していれば、受取手形の支払人や、振出人、手形の決済が完了しているかを一覧で確認できます。受取手形記入帳に記入する内容は、先述した支払手形記入帳とほぼ同じです。異なるのは振出人の欄が「振出人または裏書人」となっている点で、手形を振り出した人か企業の名前もしくは手形に裏書をした人の名前を記入します。

Ⅵ. 補助簿6:仕入帳

簿記における仕入帳とは、商品の仕入れたときや返品したとき、値引きをうけたときなどの明細を記録するための帳簿です。仕入帳には商品の名前や1個当たりの金額、仕入れた数量などを記入します。仕入れた商品の明細は黒字で、返品や値引きをうけた際の明細は赤字で記入するのが基本的なルールです。

Ⅶ. 補助簿7:売上帳

簿記における売上帳とは、その名の通り商品の売上を記録するための帳簿です。商品の名前や1個当たりの値段のほか、売り上げた戸数や金額も記録します。返品や値引きに関する情報は赤字で記入するという点は、仕入帳と同じです。

Ⅷ. 補助簿8:商品有高帳

簿記における商品有高帳とは、商品の在庫状況を記録するための帳簿です。商品を仕入れたときは「受入」の欄、商品を売り上げたときは「払出」の欄に明細を記入します。「残高」の欄には、手元に残っている在庫の情報を記録しましょう。

Ⅸ. 補助簿9:買掛金元帳

簿記における買掛金元帳とは、仕入先ごとに買掛金の状況を記録するための帳簿です。仕入先元帳とも呼ばれます。総勘定元帳にも買掛金の増減は記載されていますが、どの仕入先にいくらの買掛金が残っているかという詳細な情報までは把握できません。買掛金元帳をつけていれば、仕入先ごとの買掛金の残高が一目でわかります。

Ⅹ. 補助簿10:売掛金元帳

簿記における売掛金元帳とは、得意先ごとに売掛金の残高を記録した帳簿です。得意先元帳と呼ばれることもあります。買掛金と同じく、総勘定元帳を見れば売掛金全体の増減は分かりますが、売掛金元帳をつければ得意先ごとに売掛金の残高を把握することが可能です。

4. 帳簿をしっかり理解して簿記の知識を高めよう!

簿記をしっかりと身につけるためには、帳簿に関する正しい知識が欠かせません。帳簿について効率良く学ぶためには、スクールなどを利用するのが効果的です。簿記の資格を取得したいと考えている人や、独立開業を目指している人、帳簿のつけ方をしっかりと勉強してみたいという人は、簿記を学べる講座の受講を検討してみましょう。

このページの上へ