日商簿記3級独学教室 > コラム > 高校生と簿記検定

高校生と簿記検定

高校生にはどれがおすすめ?簿記の種類や資格取得のポイントは?

高校生で簿記の資格を取得しようと思う場合、どの資格を取得すれば良いのでしょうか。簿記の資格は3種類ありますが、それぞれ特長が異なります。そのため、高校生が簿記の資格を取得するのなら、特長や役立つシーンなどをしっかりと把握しておく必要があるでしょう。この記事では、高校生が簿記資格を取得する際に知っておきたいことについて解説します。

1. 高校生が受験できる簿記の資格試験の種類

簿記の資格には種類があります。高校生が受験できる簿記の資格試験にはどのようなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。

Ⅰ. 日商簿記

日商簿記は、日本商工会議所が主催している資格になります。一般的に簿記という場合には、この日商簿記を指していることが多いでしょう。簿記の資格の中では知名度が高いため、最も受験者が多い資格なのです。日商簿記は、1~3級・簿記初級があります。簿記初級が最も簡単に取得できるレベルとなっており、高校生が入門として受験するには良いでしょう。簿記3級がその次に簡単で、2級・1級と順に難易度が上がっていきます。商業高校の高校生なら高校で簿記の授業がありますので、簿記3級は十分合格可能です。
また、経理や会計の仕事のために簿記の資格を取得するのなら、2級合格を目指すと良いでしょう。日商簿記2級は、会社の経理や会計の実務に必要な知識があることを証明できる資格なので、経理や会計として活躍したいのなら取っておくと便利です。日商簿記は、受験するレベルによって実施される時期が変わってきます。2・3級の試験は年3回で、毎年2・6・11月に行われています。1級の試験は6・11月の2回のみなので注意しましょう。日商簿記1級に合格すると税理士試験の受験資格が取得できます。

Ⅱ. 全商簿記

全商簿記は、正確には全国簿記実務検定といいます。会計や経理を目指す学生のための簿記試験で、公益財団法人全国商業高等学校協会が主催しています。そのため、受験者のほとんどが商業高校の高校生となっています。全商簿記1級を取得しておくことで、大学の推薦入試を受けられる場合があります。また、高校で簿記を履修していればセンター試験の受験科目として、簿記を選択することも可能です。このような特長があることから、大学進学を目指す高校生が多く受験している試験です。
試験内容については、商業高校で学べる内容が中心となっているので、比較的簡単なのが特長でしょう。他の簿記試験よりも難易度が低いことで知られています。全商簿記は、1~3級までの難易度に分かれていて、3級が最も簡単です。一番難しい1級は「会計」と「原価計算」に分かれていますが、どちらも合格しなければ1級の取得はできません。しかし、同時に合格する必要はなく、どちらか片方に合格してから4回の開催以内にもう片方に合格できれば資格取得が可能です。試験は毎年2回で、1月と6月に実施されます。

Ⅲ. 全経簿記

全経簿記は、公益社団法人全国経理教育協会が主催している簿記資格です。上級・1~4級の5種類に分かれており、1級については「会計」と「工業簿記」の2種類の試験があります。全経簿記は、日商簿記と同様に会社の経理や会計などの実務を担当する際に役立つ内容を扱っているのです。そのため、難易度としては全商簿記よりも高めにはなりますが、日商簿記よりは低く、ちょうど中間レベルの資格といえるでしょう。就職などの際には日商簿記のほうが、ブランド力が高く有利になりますが、全経簿記は合格率も比較的高いので、日商簿記試験の予行練習として受けるのに向いています。
試験は、1~4級は年4回、上級が年2回行われています。また、全経簿記の上級を取得すると、税理士試験の受験資格が与えられるのも大きな特長です。そのため、税理士を目指すためのステップとして受験する人も少なくはありません。

2. 高校生はどの簿記の資格をとったらいい?

高校生が簿記の資格を取るのなら、その資格をどう活かしていきたいのかを明確にすることが重要になります。まず、就職を意識して簿記の資格を取りたいと考えているのなら、日商簿記3級以上の合格を目指すと良いでしょう。日商簿記は、より実践的な内容の試験になります。そのため、日商簿記の資格を持っていること自体が評価対象になるのです。また、資格を取った理由がアピールポイントにもなります。「仕事に役立てたくて日商簿記を取得した」と説明をすれば、働くことへの意欲が高い、熱意があるということをアピールできるのです。就職試験の際に有利に働くケースも多いので、就職を目指しているのなら日商簿記を取得すると良いでしょう。
進学を有利にしたい、知識を身につけるために資格を取得したいのなら、全商簿記の取得が役立ちます。前述したように、全商簿記1級を取得することで大学の推薦入試を受けられる可能性がありますし、高校で簿記を履修していればセンター試験の科目として簿記を選択できます。進学に有利に働きますから、全商簿記1級を目指すと良いでしょう。全商簿記は取得することによって知識を身につけることができるので、自分の能力に自信を持つことができます。また、日商簿記を取得するためのステップアップにもなりますので、力試しとして受験するのも良いでしょう。

3. 高校生が簿記の資格を取得するためのポイント

高校生が簿記の資格を取得する際には、ポイントをしっかりと押さえる必要があります。何が資格取得のためのポイントになるのか、詳しく説明します。

Ⅰ. 学校の授業をきちんと受ける

まず重要なポイントは、高校の授業をきちんと受けることです。商業高校の場合には、演習を多く取り入れて簿記の知識を教えているのが特長となっています。そのため、高校の授業にまじめに取り組むことで、簿記資格を取るために必要な知識を学ぶことができるのです。高校の授業をしっかりと聞いて理解する、宿題も怠らずにきちんとこなすといったことを意識していれば、日商簿記の2・3級程度なら在学中に問題なく取得することができるでしょう。
ただし、日商簿記1級を取得したい場合には注意が必要です。商業高校では、日商簿記1級の取得に必要な内容までは網羅していません。そのため、1級の合格を目指すのなら、高校の授業だけでは不十分でしょう。在学中に日商簿記1級を取得したいのなら、大手資格試験予備校の教室講座を受講する又は通信講座を利用するといった方法で勉強することが必要になります。

Ⅱ. 問題演習を繰り返す

問題演習を繰り返すことも意識するといいでしょう。簿記の資格試験では、計算して答えるような問題が多く出題される傾向にあります。また、過去問と似たような問題が出ることも少なくありません。そのため、過去問や予想問題などを繰り返し解くことが効果的です。繰り返し問題を解くことによって、計算方法や問題の傾向を頭に叩き込むことができます。しっかりと繰り返し学習することで、本番の試験でもスラスラと計算できるようになるでしょう。最低でも3回は同じ問題を解くことが重要です。

4. 高校生のうちに簿記の資格を取得しよう

簿記の資格は高校生でも取得することができます。また、就職や進学といった様々なシーンで資格を活かすことができるでしょう。資格の難易度が高くなると、高校の授業だけでは対応できなくなります。より高レベルの資格に挑戦したいのなら大手資格試験予備校の簿記講座に申し込んで勉強をするのが効果的です。しっかりと簿記の知識を学んで、高校生のうちに資格を取得しましょう。

このページの上へ