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簿記のノート作成法

簿記の勉強ではノート作りが重要!どんなまとめ方が効果的?

簿記の勉強をする際に、勉強時間を多く割いただけでは十分な効果が得られません。適切なノートづくりをすることが試験対策になり、効率の良い勉強方法にもつながります。しかし、ノートをどのようにまとめていけばよいのか分からない人もいるのではないでしょうか。この記事では、簿記の勉強をする際のノート作りのコツを解説します。

1. 簿記の勉強のために作成したいノートって?

簿記の勉強を効率良く行うためには、自分の弱点を把握して克服することがポイントとなります。というのも、簿記の試験では、よく似た問題が別の切り口から出題されることが多いからです。何度も出題されている問題を間違えてしまう場合やケアレスミスで点数を落としてしまう場合は、確実に解けるようにしていきましょう。効果的な対策法は、自分が間違えやすい論点やケアレスミスをしやすい論点をノートにまとめることです。 そして、そのノートを通勤や通学で電車に乗ったときなどの空き時間を利用して、何度も繰り返し見ていくようにします。解答を見るとなぜ間違えたのかが分かるのに、いざ問題を目の前にすると引っかってしまいケアレスミスをしてしまう人もいるでしょう。その原因は、論点に込められている引っかかりやすいポイントを意識していないために、問題作成者が引っかけようとしている箇所にはまってしまうからです。苦手でよく間違えてしまう問題の論点をノートにまとめて何度も読み込むことで、正解を導き出せるようになります。地道に繰り返しノートを見返しておくと、試験本番で似たような問題が出たときにも間違えずに回答できるようになるでしょう。

2. 簿記ノートの種類と作成方法

簿記の勉強を効率よく進めるためには、複数の簿記ノートを作成することが必要です。ここでは、作成したい簿記ノートの種類と作成方法について解説します。

Ⅰ. 問題集ノート

大前提として、簿記の勉強をする際は、1冊の問題集を一度ではなく複数回、できれば3回解いていきましょう。その理由は、3回同じ問題に挑戦することにより、どの問題をどの段階で何が原因で間違えたかが明確になりやすいためです。まず、テキストで学習を行ってから問題集を使ってトレーニングをしていきましょう。問題集を一通り解いたら、正解した問題の設問番号の左側にチェック印、間違えた問題の設問番号の左側に〇印をつけます。そのうえで、間違えた問題を3回解きなおしましょう。 そして、3回とも間違えた問題について、問題集ノートを作成してまとめていきます。1回目と2回目に間違えた箇所については、それぞれの問題について、解答解説になぜ間違えたのか、どのようにすれば間違えずに済むのかをメモしておきましょう。そうすることによって、問題集ノートを楽に作成することができます。解答に重要なポイントが書かれている場合は、あらかじめマーカーなどで印をつけておけば、まとめやすく便利です。問題作成者がどのような意図でその問題を作ったのかを意識すると、論点が似通った問題が出題されたときにも間違えずに解答できるようになります。

Ⅱ. 模試ノート

模試を受けた後は、受けたままで放置せずにきちんと振り返り、間違った問題をまとめていくことで自分の弱点を知ることができます。模試の出題は問題集で学習してきた個別の問題ではなく、様々な問題が絡み合った総合的なもので、実際の本試験にも近い形式です。そのため、きちんと復習することが本試験での得点にもつながっていきます。模試ノートでは間違えた箇所すべてについてノートに記載していきましょう。 模試の活用法は、どれくらい点数が取れるのか、自分の苦手箇所はどこなのか、合格までにはあとどれくらいの点数を取ればよいのかを把握することです。模試ノートでは問題集ノートと同様に、間違えた理由や間違えないようにするためのポイントを問題の解き方と一緒に記載しましょう。模試ノートを作ることによって、頭の中が整理されていき、実際の本試験に向けての問題演習のトレーニングを効率よく行うことができます。

Ⅲ. 過去問ノート

問題集で確実に基礎力を身に付け、模試で本試験と同様の形式の試験に慣れた後はいよいよ過去問に挑戦していきましょう。過去問を解くことによって、総合問題への対応や本試験での時間配分、合格点を取るためのコツが身に付けられます。過去問は第1~5問まであり、出題される内容は第1問が仕訳、第2問が帳簿などのように決まった形式です。また、それぞれの問題で出題者が受験生の理解度を図りたい内容は異なります。過去問に取り組む段階になれば、総合的な理解を深めることによって、得点アップを狙っていかなければなりません。そのため、これまで学習してきた知識を結集して問題演習を行いながらアウトプットすることが必要です。 過去問で間違えた問題それぞれについて、なぜ間違えたのか、次に間違えないようにするためにどのようにすればよいのかをノートにまとめていきましょう。過去問を解く中でどのような傾向があるのかをつかみ、地道に自分の弱点をつぶしていくことが必要です。また、過去問は複数回解きなおしましょう。過去問で繰り返し出題されているものや、過去問では一度しか出てきていなくても模試で出題されている項目は解けるようにしておいたほうが無難です。

3. 簿記ノートはいつ作成したらいい?

3種類の簿記ノートは作るべきタイミングがそれぞれ異なります。問題集ノートは簿記を学習し始めてから1ヶ月半ほど経った頃から作るのが適切です。それよりも早く作り始めてしまうと無駄が多くなるため、ある程度学習が進んでから作るとよいでしょう。問題集を解くなかで間違えた問題にチェックを入れておき、複数回解きなおします。それでも間違えた問題を抜き出してノートを作成しましょう。模試ノートは模試を受験するたびに作成していきます。また、過去問ノートも過去問を解くたびに作成していきましょう。過去問ノートを作ることによって、これまでに学んできた知識をアウトプットさせる訓練にもなります。

4. 簿記ノートの作成で意識したいこと

間違えた箇所を抜き出してノートを作成することによって、自分がどの部分が苦手なのかを明確に把握することができます。簿記の講座などで講義を聴きながらテキストに書き込みすることはインプット学習であるのに対して、簿記ノートを作成することはアウトプット学習です。アウトプット学習を行うことにより、インプット学習で得た知識の理解をより深めることができます。また、ノートに書くことは記憶したことを再確認する作業です。それらの作業を行うことにより、知識の定着につなげることができ、自分の力で得点できる力も身に付けられます。 さらに、苦手でよく間違えてしまう問題だけを集めてノートに記載することで、本番直前に苦手分野の見直しを効率よく行うことが可能です。自分が間違えやすい問題をノートにまとめることによって、ケアレスミスの回数を減らすことにもつながります。似たような問題が出題されたときにも応用が利き、間違えずに解答できるようになるでしょう。苦手な問題を集中的に学習することでその部分が確実に得点できるようになれば、全体的な得点アップを目指すことも可能になります。

5. 簿記ノートを作って効果的に勉強を進めよう

簿記の勉強を効率よく進めるためには、3種類の簿記ノートを作ることがポイントです。それぞれ作成法は異なるものの、自分が間違えた問題についてまとめ、しっかり復習することが苦手克服につながります。ただし、ノートの作成に時間を割き過ぎるあまり問題を解く回数が減ると本末転倒です。ノートは少々汚くても構いませんので、自分が分かる程度に簡潔に作成しましょう。
簿記の勉強は独学でもできますが、予備校の講座を受講すると効率的に勉強を進めることが可能です。様々な勉強法の中から自分に合った方法を選んで勉強を進めていきましょう。

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