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簿記のおすすめ勉強法

簿記3級のおすすめの学び方はどれ?各勉強法の特徴を徹底解説!

簿記3級の勉強にはいくつもの方法があるため、どのように学べば良いか分からない人も多いでしょう。受験料を無駄にしないためにも、まずは、各勉強方法の特徴を把握することをおすすめします。そのうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切です。ここでは、簿記3級の試験概要や勉強方法、それぞれの特徴などを説明していきます。この記事を読めば、簿記3級の受験に向けてより良い準備ができるようになるでしょう。

1. 簿記3級とはどんな資格?

簿記3級は、会計や経理の登竜門ともいうべき資格です。取得するには、基本的な商業簿記を習得している必要があります。これは、経理関連の書類を適切に扱える、青色申告の書類が作成できるといった初歩の実務がこなせ、中小企業や個人商店の経理事務にも役立つというレベルです。簿記3級の知識があれば、経理関連書類を読み取ったり、取引企業の経営状況を数字から把握したりもできるようになります。そのため、簿記3級はビジネスパーソンに必須の基礎知識とみなされています。主催しているのは商工会議所です。国家資格ではありませんが、経理関係の公的資格として高い知名度を誇っています。2019年8月現在で2,600万人にもおよぶ受験実績があるなど、極めて高い人気を誇るおすすめの資格です。

2. 簿記3級の試験概要

この段落では、試験日程や出題範囲、合格基準といった簿記3級の試験概要を説明していきます。

Ⅰ. 試験日程

簿記3級の試験が実施されるのは年に3回で、2月、6月、11月に受験できます。これは2級も同じです。ただし、1級は6月と11月の年2回の実施となります。受験の申し込み先は最寄りの商工会議所です。申し込みの受付日時や方法はそれぞれの商工会議所によって異なりますので、受験する際はそれぞれの商工会議所に問い合わせる必要があります。申し込みの受付が始まるのは、試験日の2ヶ月~1ヶ月半ほど前です。そのため、受験を希望する月の2ヶ月前を目安に問い合わせることをおすすめします。

Ⅱ. 出題範囲

簿記3級の出題範囲は商業簿記のみで、試験時間は2時間です。仕訳・帳簿記入・試算表作成・伝票起票・精算表作成などが出題されます。第1問目は仕訳問題で、「現金過不足の原因が一部判明した。このとき、判明しなかった金額はどう処理するか」というように、適切に仕訳できるかどうかが問われます。第2問目は帳簿記入問題が出されることが多く、過去の試験では「どの補助簿に取引を記帳するか」が問われました。ほかにも、利息勘定や減価償却費勘定・減価償却累計額勘定、商品有高帳などが出題されることもあります。 第3問は試算表の作成問題が出る傾向が高く、過去の試験では残高試算表について出題されました。「残高試算表の期首残高と期中の取引に基づき、期末の残高試算表を完成する」という問題です。第4問は伝票会計の問題が出題されることが多く、過去の試験では「取引を出金伝票と振替伝票に起票する」問題が出題されました。ほかに、仕訳日計票の作成・現金勘定への転記や減価償却の記帳方法などが問われるときもあります。第5問は精算表作成問題が出される傾向が高く、過去の試験でも出題されました。他に、財務諸表作成問題もよく出題されるため、どちらもしっかり練習問題を解いて慣れておくことをおすすめします。

Ⅲ. 合格基準

簿記3級は70%以上の得点で合格できます。合格率の平均は、申込者ベースで40%程度です。合格率は、20%を切るなど極端に低い回もありますが、過去3年間(※)に限ると平均で50%ほどになり、およそ半数が合格しています。これはまずまずの難易度と言えるでしょう。会計の入門的な位置づけの資格とはいえ、合格するには事前にしっかり準備して勉強することをおすすめします。

3. 簿記3級にはどんな勉強法がある?

簿記3級の主な勉強方法には次の3つがあります。 ・独学 ・通学講座 ・通信講座 簿記3級試験を確実合格するためには、一生懸命に勉強に取り組むよりも、まずは自分に合った勉強法を見つける必要があります。なぜなら、合っていない勉強方法で学んでも、効率良く習得できないためです。特に、これから2級、1級とステップアップしていくことを考えている場合、早い段階で無理のない勉強方法を見つけておくことをおすすめします。

4. 簿記3級を独学で学ぶメリット・デメリット

独学で簿記3級を学ぶ場合は、市販の問題集やテキストを活用することになります。簿記3級は人気が高く、受験者の多い資格ですので、学習関連の書籍が豊富です。その中から、自分に合ったものを選んで購入する必要があります。ここでは、独学にはどういうメリット、デメリットがあるかをみていきましょう。

Ⅰ. 独学のメリット

独学の大きなメリットは、通信や通学に比べて費用がかからないということです。ほとんどのテキストや参考書が、1冊2,000円以下で購入できます。また、勉強したいとき、テキストや参考書を購入すればすぐに始められるのも大きな利点です。さらに、仕事などが忙しくても自分のペースで勉強できます。

Ⅱ. 独学のデメリット

独学の場合、自分でテキストや参考書、問題集を選ばなければなりません。何をどれだけ購入する必要があるのかが分かりづらく、自分のレベルに合った内容のテキストや参考書を選べない可能性もあることは、独学の大きなデメリットといえるでしょう。また、どのポイントを重視して勉強すべきかが分かりづらいため効率が悪く、学習期間も長くなりがちです。さらに、分からないことがあっても講師に質問できませんので、不明点が解決できないままになることがあります。そのうえ、自分一人で勉強をしていますので学習ペースが乱れがちになり、試験までモチベーションを維持するのが難しくなります。

5. 簿記3級を通学講座で学ぶメリット・デメリット

簿記講座を開設しているスクールはたくさんあります。平日の昼間だけではなく夜間や土日に開講しているところも多いため、社会人でも通うことが可能です。

Ⅰ. 通学講座のメリット

通学講座の場合、スクール側からテキストや参考書が渡されますので、自分で選ぶ必要がありません。要点を押さえたテキストを使い、講師に重要なポイントを教えてもらえますので、効率的に学習を進めることができます。また、分からないところがあればその場で講師に質問でき、不明点をすぐに解決できるのも大きなメリットです。さらに、共に学ぶ仲間がいることで、学習に対するモチベーションを維持しやすくなります。

Ⅱ. 通学講座のデメリット

通学講座を利用する際の大きなデメリットは、独学よりも費用がかかる点です。また、講座の曜日や時間が決まっていますので、急な出張が入ったり残業をしたりすると通えないことも多いでしょう。そのため、仕事が忙しい人にはあまりおすすめできません。ただし、Webによる講義の配信や映像教材が利用できる通学講座もあります。

6. 簿記3級を通信講座で学ぶメリット・デメリット

通信講座は、自宅に届いた教材を使って自分で勉強を進めていきます。また、多くの講座では、教材は紙のテキストだけではなく、DVDなどの映像教材やWebによる講義の配信を利用することも可能です。さらに、不明点があればメールや電話で質問できたり、Web上のコミュニティでほかの学習仲間と交流できたりといった、様々なフォロー体制が整っている講座もあります。

Ⅰ. 通信講座のメリット

通信講座は、テキストや参考書など一式が自宅に届きます。通学講座と同様、自分で選ぶ必要がないことは大きなメリットです。講義のWeb配信やDVD教材があれば何度でも視聴でき、紙のテキストでは分かりづらいところも理解しやすくなります。深夜や休日など、自分の好きな時間に勉強できることもメリットです。

Ⅱ. 通信講座のデメリット

通信講座も、独学よりも費用がかかる点がデメリットといえます。また、基本的に一人で勉強しますので、受験までモチベーションを維持するのが難しく、学習ペースも乱れやすいでしょう。そのため、Web講義やDVD教材の視聴が終わらないまま、申し込み講座で規定されている学習期間が終了してしまうリスクがあります。通信講座の多くは学習上の不明点があれば講師に質問できるようになっていますが、回答が返ってくるまでにタイムラグがあり、すぐに解決することが難しい点もデメリットです。

7. 簿記3級を勉強は講座の利用がおすすめ

簿記3級は70%以上の得点で合格でき、平易な試験と思われがちです。しかし、合格率の平均は5割以下であり、確実に合格するためには2級や1級と同様にしっかり学習する必要があります。また、将来は他の級も受験するつもりなのであれば、土台となる3級レベルの知識を固めておくことが大切です。合格率の高さや学習効率を考えると、簿記3級であっても専門講師がいる通学講座や通信講座を活用することをおすすめします。

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