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簿記の勉強

簿記の試験に合格するには?勉強のポイントを解説!

簿記が分かればビジネスの理解に役立ち、仕事などにも活かせます。簿記を理解する近道は、簿記の試験に合格することです。しかし、合格するための勉強方法が分からないという人もいるでしょう。簿記資格取得のための勉強は、ポイントを押さえて進めることが大切です。そこで、今回は簿記の勉強をするうえでのポイントを解説します。

1. 簿記は独学でも合格できる?

簿記の試験に合格するための勉強は、独学でも可能です。ただし、しっかりとポイントを押さえる必要があります。ポイントを外してしまうと時間のロスが発生し、最悪の場合は合格への道のりが険しいものになってしまうでしょう。

Ⅰ. どこから手を付ける?いつから始めるべき?

初めて簿記の勉強をする場合や実務で簿記を使ったことがない場合は、まず、簿記3級に挑戦してみるとよいでしょう。簿記の代表的な資格は日商簿記です。簿記1級は、難関資格の1つとされ、その下に2級、3級とあります。簿記3級は、簿記の基本事項を理解すれば独学でも合格可能です。独学で勉強しようという場合は、いきなり2級からなどの冒険は避けて、3級から挑戦するのが適しています。ただし、簿記3級の勉強内容が基本事項とはいっても、しっかり勉強することは必要です。確実に合格するためには、できる限り多くの勉強時間を確保することが重要になってきます。試験日から逆算してできるだけ早く勉強を始めるようにしましょう。

Ⅱ. 独学で勉強する場合の注意点は?

簿記の制度は、内容が改正されることがあります。古いテキストを使用して勉強していると間違った知識を吸収してしまう可能性があることに注意が必要です。独学の場合は、最新のテキストを選ぶことが大切になります。また、独学で進めていくと分からないところでつまずき、時間をロスしてしまったり、間違った理解をしてしまったりするリスクがあることにも注意が必要です。誰かに聞くということができないため、「自ら調べて解決することが欠かせない」という点についても認識しておきましょう。

2. 簿記3級に合格するためのポイント

簿記3級が求めるレベルは、基本的なものです。しかし、確実に合格するためには主に2つのポイントを踏まえて勉強を進める必要があります。合格するためには100点満点をとる必要はありませんが、基本を理解しておかなければ合格することは難しいでしょう。

Ⅰ. 簿記システムの全体像を理解する必要がある

簿記3級に合格するためには、簿記システムの全体像を理解することが欠かせません。簿記の処理を行うにための理論的な背景である会計について、深く理解する必要はありませんが、全体像をしっかり理解しなければ合格できない可能性があります。取引の基本である仕訳の作成に始まり、取引集計表である試算表作成、財産の一覧表である貸借対照表、業績が分かる損益計算書の作成までの一連の流れを確実に把握するようにしましょう。また、簿記独特の用語の意味を正しく把握するように勉強することも大切です。

Ⅱ. 問題演習を繰り返し簿記の計算問題に慣れる必要がある

簿記3級の試験では、仕訳の知識だけでなく試算表作成や貸借対照表・損益計算書作成の演習問題でしっかり点数を稼ぐ必要があります。演習問題で高得点を確保するためには、実際に繰り返し演習問題を解いて、計算の流れを確実に身につけることが簿記の勉強のポイントです。何度も繰り返すことによって、流れが把握できるようになるだけでなく計算スピードも上がります。過去の問題などを入手して、最低でも3回は解くように心がけましょう。

3. 簿記2級に合格するためのポイント

簿記2級に挑戦する場合は、簿記3級の場合とは少し異なる対策が必要です。簿記2級の特徴は、「商品を仕入れて販売する」という商業簿記だけでなく、工場で製造を行った場合の会計処理である工業簿記も出題されます。簿記2級に合格するための主な勉強のポイントは、2つです。

Ⅰ. まず3級合格レベルの実力を確保する

簿記2級は、簿記3級に合格していなくても受験資格さえ満たせば誰でも受験できます。そのため、いきなり簿記2級から受験するという人もいるでしょう。簿記2級から受験する場合の注意点は、簿記3級の勉強をしっかりしたうえで、簿記2級の勉強に入ることです。簿記3級は、簿記1級まで含めた試験における基礎となるレベルが要求されます。そのため、簿記3級を理解しておかないと工業簿記はもちろん、2級の商業簿記にも対応できなくなってしまうでしょう。2級の商業簿記では、簿記3級の基礎を踏まえた新たな項目が要求されます。まず、「焦らずに簿記3級合格レベルになる」というステップを踏むことが重要です。

Ⅱ. 過去に出題された類題が多いため過去問対策が重要になる

簿記2級の商業簿記のみならず工業簿記までマスターしたら、徹底した過去問対策が欠かせません。簿記2級の特徴は、過去に出題された問題と似たような形式の問題が何度も出題されることです。そのため、過去の問題を徹底的に繰り返して解いて解答パターンを修得すれば、合格に近づくことができます。市販の過去問を購入して、徹底的に勉強しましょう。

4. 簿記1級に合格するためのポイント

簿記資格試験の最上級資格である1級に挑戦する場合は、簿記3級、2級で求められるレベルとは異なる難易度の問題が出題されると覚悟しておく必要があります。合格するための主な勉強のポイントは、3つです。

Ⅰ. 試験科目は4科目になり商業簿記・工業簿記の難易度も上がる

簿記1級の試験範囲は、商業簿記、工業簿記、会計学、原価計算の4科目です。簿記2級では求められなかった会計学と、原価計算を新たに勉強する必要があることを認識しておきましょう。会計学は、簿記の実務を支える理論を理解しているかどうかが問われます。原価計算は、製造物の単価や分析を行うための計算で、工業簿記の仕組みを支える重要な計算概念です。商業簿記も、2級までとは異なるレベルの問題が出題されます。

Ⅱ. 暗記だけなく応用力が求められる

簿記2級までは、一定の知識があり計算パターンを理解しておけば解けるレベルの問題が出題されます。しかし、簿記1級では過去に出題されたパターンとは異なるアプローチで問題を解くことが求められるケースも珍しくありません。問題文を読んで「どのように解けばよいのか」を考えることが必要になるのです。そのため、知識の暗記やパターンの修得だけでなく、応用力を養う勉強が求められます。

Ⅲ. それでも簿記2級が基礎になる

簿記1級は難易度が上がり応用力も求められる試験です。しかし、簿記2級レベルが土台になることは間違いありません。簿記2級が分からなければ、簿記1級の問題は、手も足も出ません。そのため、簿記2級の復習をしっかり行ったうえで「簿記1級の問題演習を繰り返す」という勉強方法が有効です。

5. しっかり勉強して簿記の資格を取得しよう

簿記の資格試験に合格するためには、しっかりと時間をかけて勉強する必要があります。単に読んで覚えるというだけでなく、「演習問題を何度も解く」という姿勢が欠かせません。演習問題を解くためには、一定以上の勉強時間を確保する必要があることを肝に銘じておきましょう。独学でも合格をすることは可能です。ただし、独学で勉強を進めていくと理解できないことにぶつかった場合に、大きく時間をロスしてしまう可能性があり、最悪の場合は挫折してしまうリスクもあります。
簿記3級であれば、独学でも十分合格を狙えますが、簿記2級以上になると独学だけでは難しい面もあると認識しておくことが必要です。簿記2級以上を目指す場合は、大手資格試験予備校の簿記試験対策講座を受講することも有効な選択肢の1つといえます。ポイントを押さえた勉強方法で簿記の資格試験合格を目指しましょう。

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