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受験にあたって

簿記検定受験を目指す人必見!資格の活かし方と受験する際の注意点

簿記は取得することで経営やビジネスに欠かせない知識を身につけることができる資格です。ビジネスパーソンとしてのスキルアップが期待できますし、就職や転職などにも有利です。ただ、簿記検定における各級のレベルや具体的な資格の生かし方がよく分からないという人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では資格の生かし方や各級の合格率、さらには受験する際の注意点などについて解説をしていきます。

1. 簿記資格を取得するメリット

簿記とは、事業における営業取引の内容を記録する技術のことを指します。このスキルを習得すれば、ビジネスにかかる費用や収益率をイメージできるようになり、取引先企業の経営状況も把握しやすくなります。つまり、そのことが仕事の効率アップにつながるというわけです。同時に、資格取得は就職や転職の際にも有利に働きます。特に、簿記2級以上なら、デスクワークへの転職も期待できます。 また、簿記1級は会計のスペシャリストを意味するため、年収アップにつなげることも十分可能です。さらに、独立を目指したり、融資を受けたりする際にも簿記の知識は大いに役立ちます。

2. 各級のレベルと活かせる仕事

簿記検定は初級と3~1級の4つがあり、それぞれ必要とされる知識や取得後に活かせる場面が異なります。そこで、各級のレベルがどの程度で、その資格がどのような仕事に活かせるのかを紹介していきます。

Ⅰ. 簿記3級

簿記3級を受験して合格すると、業種や職種に関わらず、ビジネスパーソンなら必須といえる基本知識を身につけることができます。基本知識とはどの程度かというと、初歩的な商業簿記を理解し、経理関連書類の内容把握や必要な書類作成ができるレベルです。そのため、簿記3級の資格があれば、中小企業や商店の経理事務に活かすことができます。さらに、ビジネスパーソンとしての基礎知識が備わっているとして、経理や財務担当以外の職種であっても、資格取得を評価してくれる企業も少なくありません。ただ、実際には、簿記3級よりも、より実用的な簿記2級の資格取得を目指している人が多いようです。

Ⅱ. 簿記2級

簿記2級を受験して合格するとハイレベルな商業簿記と工業簿記が理解できるようになります。そのうえ、財務諸表を通して経営内容の把握ができるようになり、経営管理に役立つ知識が身につきます。また、簿記2級の資格があれば企業の財務担当者や株式会社の経営管理の仕事はもちろん、税理士事務所、営業職、金融、商社、サービス業、コンサルティング会社といった具合に、様々なビジネスシーンでそのスキルを役立てることができまるようになるのです。そのため、転職の際には究めて強力な武器となるはずです。 さらに、現在の職場においても簿記2級はそれ自体が高評価の対象となります。場合によっては給与アップにつながるケースがありますし、転職した場合でも財務諸表の概念や知識などは様々なシーンで役に立つはずです。

Ⅲ. 簿記1級

簿記1級は、税理士や公認会計士の登竜門でもあり、簿記のスペシャリストといえる資格です。これを取得すれば、企業の経理管理のみならず、国家試験を受験して公認会計士や税理士を目指すことが可能になります。まず、簿記1級の資格を得ることで税理士の受験資格が与えられるので、大学を卒業していない人で税理士を目指している人にとって簿記1級は避けては通れない資格だと言えます。また、公認会計士の場合も試験範囲が重複しているため、簿記1級の資格を先に取得しておくと、勉強時間の大幅な短縮につながるというわけです。 さらに、実務面のメリットとしては、高度な商業簿記と会計学、工業簿記や原価計算などを理解し、企業会計に関する法規に基づいた経営管理や経営分析ができるようになるという点が挙げられます。転職の際にも非常に強力な武器となり、中小企業から大手企業へのステップアップの道も開けてきます。そうなると、年収も大幅アップする可能性が高くなるはずです。また、会計職などに就いている場合は早期の昇進が期待できます。

3. 簿記検定の試験日・受験料・合格基準

試験の主な申し込み方法としては、窓口申込やインターネット申込などが挙げられます。しかし、実際は商工会議所によって異なるため、申し込み方法や受付日時については受験希望地の商工会議所に直接確認する必要があります。次に、試験日と受験料についてですが、まず、簿記検定3級の場合、試験日は2月下旬、6月中旬、11月中旬の年3回で、受験料が2,850円です。なお、合格基準は正答率70%以上となっています。 また、2級は試験日が2月下旬、6月中旬、11月中旬の年3回で、受験料は4,720円です。合格基準は3級と同じで、正答率70%以上となっています。さらに、1級は試験日が6月中旬、11月中旬の年2回で、受験料は7,850円です。合格基準が正答率70%以上というのは3級や2級と同じですが、1級の場合はそれに加えて「1教科ごとの正答率が40%を下回ってはならない」という条件が付加されます。ちなみに、ネット受付の場合は各級とも規定の受験料に加えて、700円程度の事務手数料が別途かかりますから注意して下さい。

4. 簿記検定の受験者数と合格率

どの年でも級が上がるごとに受験者数は少なくなり、合格率も低くなる傾向にあります。一例として2018年6月に実施された試験を見てみると、簿記3級では受験者数7万9421人に対して合格率は44.3%です。一方、簿記2級は受験者数3万8352人で合格率は15.6%、簿記1級は受験者数7501人で合格率は13.4%と受験者数・合格率ともにかなり低くなっていることが分かります。ちなみに、その次に行われた2018年11月の試験でも簿記3級の合格率が43.8%なのに対して、簿記2級は14.75%、簿記1級は9.0%と同じような結果になっています。

5. 簿記検定を受験する際の注意点

簿記検定を無事クリアするために、しっかりと試験勉強をしなくてはいけないのはもちろんですが、その他にも注意点がいくつかあります。特に、受験会場の確認と持ち物のチェックは大切です。まず、受験会場の場所は事前に地図を使ってチェックし、可能であれば実際に訪れて当日道に迷うということがないようにしましょう。次に、会場に到着してから必要なものがないことに気づくことのないよう、家を出る前に忘れ物などがないかを確認します。その際、筆記用具、受験票、身分証明書、電卓、スリッパ、腕時計といった具合に持ち物のチェック項目を作成しておくと安心です。 ちなみに、身分証明書は、氏名と生年月日が記載され、顔写真付きであることが必須です。また、筆記用具はHBまたはBの黒鉛筆と消しゴムで、マーカーペンや定規の使用は不可となっています。さらに、電卓は音が出るものや原価計算などができる多機能なものは使用不可です。試験時間は簿記3級と簿記2級が2時間、簿記1級は途中で15分の休憩を挟んで3時間ですが、受験中はトイレには行けないので注意が必要です。

6. 簿記検定合格を目指すなら「通信・通学講座」がおすすめ

簿記検定は級が上がるごとに難易度もどんどん高くなります。そうした中で、受験して合格を目指すにはいかに効率良く学ぶかが重要な鍵となります。そのための手段としておすすめなのが、「通信・通学講座」です。通信・通学講座には簿記検定に必要な知識を受験生のレベルに合わせて丁寧に指導してくれるという特徴があります。そのうえ、自分の性格や生活環境に応じて講座のコースを選ぶことができ、効率良い学習を目指していけるのも魅力的です。
例えば、自分でコツコツと勉強するのが苦手というのであれば、講師が目の前で授業を行い、計画的に学習が進められる通学講座を選択するという手があります。一方で、仕事などが忙しくて通学が困難だという場合は通信講座を選択することもできます。しかも、通信講座には、資料を基に自分で学習を進める「資料通信講座」と、自分のペースで教室講座の映像をチェックしながら学習できる「web通信講座」の2種類があり、より自分に適した学習方法を選択することができるのです。

7. 簿記資格を取得してスキルアップしつつ仕事の幅を広げよう!

簿記検定を受験して合格を目指すのなら、その前に各級のレベルや資格を生かせる仕事にはどのようなものがあるかを理解しておくことが大切です。また、資格取得をより確実なものにするには級ごとの受験要綱をしっかりと読み、当日の持ち物や注意点も確認しておく必要があります。まずは、合格への第一歩として、「通信・通学講座」で着実に簿記の知識を身につけてみてはいかがでしょうか。

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