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簿記と大学

簿記は大学でも優遇される!資格が役立つ具体的なシーンは?

将来のことを考えて資格を取る人が増えてきています。簿記はその代表的な資格の1つですが、簿記の資格は大学ではどのように役立つのかを知らない人も多いのではないでしょうか。実のところ、簿記の資格を持っていると優遇してくれる大学は決して少なくありません。この記事では、簿記の資格がなぜ大学で役に立つのか、また、その具体的なシーンについて紹介します。

1. 簿記の資格があれば大学でも役立つ!

簿記とは、ありとあらゆる業種のお金の流れを計算したり整理したりすることで、経営の状態などを把握するための方法のことです。簿記と一言にいっても、その種類には、日本商工会議所主催の「日商簿記検定試験」や全国経理教育協会主催の「全経簿記能力検定試験」、全国商業高等学校協会主催の「全商簿記実務検定試験」などがあります。とは言え、一般的な簿記の資格というと、日商簿記検定試験のことを指すことが多いです。この資格があれば就職で有利になることはもちろん、大学及び短大の推薦入試や単位の取得にも有利に働くことがあります。
ですから、就職のために日商簿記検定を受ける大学生や税理士・公認会計士試験のために簿記を勉強している大学生も増えてきています。日商簿記検定の資格は、一度取得してしまえば一生涯有効です。2級以上になってくるとかなり難易度も高めになりますが、将来のことを考えると取っておいて損はないでしょう。仮に、資格を取得できなかったとしても、簿記を学んだという経験は決して無駄にはなりません。そのため、簿記を勉強する需要は高まり続けているのです。

2. 簿記の資格を優遇している大学は?

簿記の資格を持っていることで有利になる大学は基本的には私立大学が多いですが、「福島大学」や「大分大学」のような国立大学も含まれています。また、学部単位で見てみると、商学部や経営学部など簿記の内容に関係している学部が優遇する傾向が強く、理系の学部はあまりありません。その他にも、法学部又は外国語学部でも優遇してくれるところがあります。大学によっては、全学部において簿記資格保有者を優遇するという大学や、日商簿記検定で2級以上を取得していると大学在学4年分の授業料が無料になるという驚きの特典が付いている大学もあり、その価値はますます高まってきているといえるでしょう。

3. 大学生にとっての簿記の魅力

簿記というのは、「ビジネス言語」と言い換えることができ、世界中で通用するものだということができます。簿記の知識があれば、経営状況の把握ができるうえに、コストのセンスも養うことが可能です。また、コンサルティングの仕事にも繋がり、社会人になってからも大いに役に立つことでしょう。さらに、簿記は社会人のマナーと言われているので、2級以上を取得していると就職や転職においても有利になります。会社によっては新人の研修を行っていたり、簿記学習の機会を与えてくれたりするところもあるくらいです。簿記が活かせる仕事は非常に幅広く、経理や財務、会計などの他にも営業といった仕事にも使えます。企業の活動自体がお金を動かすということなので、どのような仕事をするにしても簿記の内容と無関係ではいられないのです。簿記は、収入にも関わっており、もし日商簿記検定の1級を持っていれば、会計においてのスペシャリストと見なされ、年収がアップする可能性も高いでしょう。
生活総合情報サイト等によると、「資格別求人数ランキング」で簿記は堂々の第2位にランクインされたことがあり、その需要の高さを知ることができます。これだけニーズの高い資格である簿記ですが、大学の経営学部生や商学部生だけでなく、一見何の関係もなさそうな法学部生や外国語学部生なども受験することができるのが魅力です。試験中は電卓も使用可能なので、最低限の計算さえできれば、誰にでも門は開かれているのです。
将来的に独立や開業を考えている人にとっても簿記は役に立ってくれます。例えば、個人事業主あるいはフリーランスになると、会社に所属していた頃とは異なり、自分で確定申告をしなければならず帳簿を付けることが求められます。また、自分が会社を経営していくときにも帳簿を付けることが求められます。このような時に簿記の知識があれば焦らずに作業ができます。他にも起業した後に「事業計画書の作成」や「資金繰り表の作成」、「税務申告」をする時に支えとなってくれるはずです。
加えて、簿記というのは他の資格を取る際にも助けとなってくれることがあります。例えば、日商簿記1級を取得しようとする人の中には、税理士、公認会計士といった難関の資格を受験するための踏み台にしようとする人も少なくありません。一方で、2級や3級を受ける人なら、中小企業診断士を目指すパターンもあります。他にも、ファイナンシャルプランナーは簿記と扱う内容が近いため、どちらも受けるには相性が良いといえるでしょう。

4. 学部別!大学で簿記の資格が役立つシーン

では、実際に簿記の資格はどんなシーンにおいて役に立つのでしょうか。学部ごとに見ていきましょう。

Ⅰ. 経営学部や商学部

大学の経営学部や商学部では、簿記の知識がそのまま授業の理解に繋がることも多く、単位が取得しやすくなります。具体的にいうと、「財務諸表論」、「経営分析」などの科目は簿記の知識が間違いなく役に立つと言えるでしょう。また、簿記の資格を取得すること自体が単位取得に認定されることさえあるのです。他にも、レポートの提出などの課題においても力強くサポートしてくれるでしょう。

Ⅱ. 法学部

一般的なイメージだと大学の法学部は簿記とは一見何の関係もなさそうですが、実際は強い結びつきがあることもあります。例えば、「会社法」という会社に関わる法律においては、金銭の流れと関連するようなことが書かれていたりもするのです。また、税に関係する法律もあるので、決して簿記と法学部は無関係なわけではありません。さらに、司法試験をこれから受けようと考えている人は、会社法あるいは租税法といった簿記関係の科目を選択することもできるので、簿記の知識を存分に活かすことができます。

Ⅲ. 外国語学部

大学の外国語学部も簿記とは何の繋がりもなさそうですが、これから海外で仕事をしようと考えているなら簿記の知識はあったほうがいいでしょう。なぜなら、前述したように簿記は世界共通のビジネス言語であり、その知識を持っているかいないかで働きやすさが全く異なってくるからです。また、日本人が海外で働く際は会計などのマネジメントを求められることが多いという面もあります。海外で働ける人というのは限られているので、様々な仕事を任せられる可能性が高く、扱える仕事は多いに越したことはありません。外国語が話せることはもちろん大切ですが、プラスアルファで簿記が扱えたらかなりのアドバンテージになることでしょう。

5. 簿記の資格取得のための大学側の支援体制

簿記を重要視している大学が多くあるだけあって、中には、簿記の学内試験を行うなどの支援をしてくれる大学もあるのです。仮にこうした試験に落ちても再試験のチャンスが与えられる場合もあります。他にも、個別指導を行っていたり、入学前の時点で簿記について学ぶカリキュラムを組んでくれたりする大学も存在します。

6. 大学生のうちに簿記の資格を取得しよう

このように簿記の資格取得にはたくさんのメリットがあり、特に大学生のうちに取得することができれば他の人と大きく差を付けることができるでしょう。1人での勉強に自信がないのなら、講座に申し込んで勉強すれば、働いた経験がなくて実感がわかないところがあっても理解しやすいです。大学生のうちに簿記の資格を取得してみましょう。

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