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インタレストカバレッジレシオ(いんたれすとかばれっじれしお)

インタレストカバレッジレシオ(interest coverage ratio)とは、企業の主たる営業活動から生じる利益である営業利益に金融収益である受取利息と受取配当金を加算した事業利益を支払利息と社債利息の合計値で除算して(割って)求めた比率です。インタレストカバレッジレシオの計算式は、次の通りとなります。
インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷(支払利息+手形割引料+社債利息)
(注1)営業利益+受取利息+受取配当金=事業利益
(注2)受取利息+受取配当金=金融収益
(注3)支払利息+手形割引料+社債利息=金融費用
インタレストカバレッジレシオは、支払利息・手形割引料・社債利息などの金融費用の支払能力を示すため、企業の財務安全性を示す指標として使われます。
つまり、営業利益や金融収益によって、金融費用の支払いがどこまで可能かについて、金融費用の何倍の営業利益と金融収益があるかをもって表します。倍率が高い程、財務安全性が高く余裕があるとされています。
インタレストカバレッジレシオの数値が1の場合、営業利益と金融収益の全額を金融費用の支払いに充てることにより金融費用が支払可能であることになります。1倍以下の場合、利息を支払うことはできても元金返済が厳しい状況になりますので、金融機関からの追加融資を受けることが困難な状況になります。インタレストカバレッジレシオは、2倍~3倍以上が望ましく、10倍以上が理想とされています。
インタレストカバレッジレシオは、上場企業の社債発行時における社債格付けの指標や銀行の融資判断基準として用いられており、債権者にとって重要な指標と言えます。一方、企業にとっては、有利子負債である借入金や社債を増加されられるかの判断材料となります。
ただし、成長期の企業においては、借入金や社債を増加させても事業拡大が望まれる場合もあることから、インタレストカバレッジレシオの数値だけでなく、企業の成長段階も考慮に入れる必要があります。

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