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流動性配列法(りゅどうせいはいれつほう)

流動性配列法とは、貸借対照表上の勘定科目の配列方法の一つで、流動性の高い勘定科目から順に配列する方法です。資産の部は、流動資産、固定資産、繰延資産の順に配列し、流動資産は、当座資産、棚卸資産に順に記載します。つまり、資産の部は換金可能性高い順に配列します。負債の部は、流動負債、固定負債の順に配列します。つまり、負債の部は、返済期間の短い順に配列します。
企業会計原則により、原則として、貸借対照表上の勘定科目は、流動性配列法で配列されます。また、流動性配列法は、財務安全性の分析の指標となる流動比率の分析に利用される原則的な配列法です。
流動性配列法は、企業の短期・長期の支払能力を明確にすることができます。なお、流動資産と固定資産、流動負債と固定負債を区別する基準としては、一年基準(ワンイヤールール)と正常営業循環基準があります。
流動性配列法の起源は、アメリカにおいて、企業が銀行に提出した貸借対照表にあります。流動性配列法は、流動資産又は当座資産と流動負債の金額の関係、つまり流動比率や当座比率を把握しやすくすることを目的としていました。
一方、流動性配列法に対する配列法に固定性配列法があります。固定性配列法は、資産の部は、固定資産、流動資産の順に配列し、負債の部・純資産の部は、純資産、固定負債、流動負債の順に記載する貸借対照表上の勘定科目の配列方法です。電力会社やガス会社など、大規模な有形固定設備の大きい会社は、固定性配列法を適用しますが、電力会社やガス会社の固定性配列法は、負債の部・純資産の部が、固定負債、流動負債、純資産の順で並ぶ本来の固定性配列法とは異なる固定性配列法を適用しています。

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