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有価証券・固定資産

 有価証券

有価証券とは、現金に換える価値のある証券のことです。有価証券には、株式・公社債などがあります。           株式とは、会社が投資家からお金を集めて元手とする時に発行するものです。会社は儲けが出ればその中から株主に配当を行います。 公社債とは、国債・地方債・社債などをいいます。 国債とは、国がお金を投資家から借りるときに発行するものです。国は、期限が到来すれば、利息を付けてお金を返します。 地方債とは、地方公共団体が、投資家からお金を借りるときに発行するものです。地方公共団体は、期限が到来すれば、利息を付けてお金を返します。 社債とは、会社が投資家からお金を借りるときに発行するものです。会社は、期限が到来すれば、利息を付けてお金を返します。            有価証券は、保有目的によって売買目的有価証券・満期保有目的有価証券などに分類されますが、日商簿記3級では、売買目的有価証券のみを扱います。売買目的有価証券とは、売り買いをして利益を得ることを目的とする有価証券です。

 

設例1

1株100円の株式10株を売買手数料100円を支払って取得した。

借方 金額 貸方 金額
売買目的有価証券 1,100 現金 1,100

@100円×10株+手数料100円=1,100円。有価証券を買う時に、証券会社に支払う費用など(付随費用)も有価証券の取得原価に含めます。取得原価とは、資産を取得した時の金額のことをいいます。売買目的有価証券(資産)が1,100円増加し、現金(資産)が1,100円減少します。

 

設例2

1株110円の株式10株を1,200円で売却した。売買手数料50円を現金で支払った。

借方 金額 貸方 金額
現金 1,200 売買目的有価証券 1,100
    有価証券売却益 100

現金(資産)が1,200円増加し、売買目的有価証券(資産)が1,100円減少し、有価証券売却益(収益)が100円増加します。

 

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 50 現金 50

支払手数料(費用)が50円増加し、現金(資産)が50円減少します。

 

設例3

1株110円の株式10株を1,000円で売却した。売買手数料50円を支払った。

借方 金額 貸方 金額
現金 1,000 売買目的有価証券 1,100
有価証券売却損 100    

現金(資産)が1,000円増加し、有価証券売却損(費用)が100円増加し、売買目的有価証券(資産)が1,100円減少します。

 

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 50 現金 50

支払手数料(費用)が50円増加し、現金(資産)が50円減少します。 有価証券を売った時に買った時よりも高い値段で売れれば、有価証券売却益、買った時よりも低い値段でしか売れなければ、有価証券売却損がでます。ちなみに売却時に手数料が発生したら支払手数料で処理します。

 

設例4

配当金領収書200円が送られてきた。

借方 金額 貸方 金額
現金 200 受取配当金 200

現金(資産)が200円増加し、受取配当金(収益)が200円増加します。
会社の株式を買った人を株主といいます。株主には、株式配当金という会社が儲けたお金の一部を株主に分ける制度があります。 配当金は、配当金領収書の送付や、銀行振込によって支払われます。配当金を受け取ったら、受取配当金で処理します。配当金領収書は、現金勘定で処理します。現金のページで確認しておいて下さい。

 

設例5

社債の利払日が到来し社債利息100円を受け取った。

借方 金額 貸方 金額
現金 100 有価証券利息 100

現金(資産)が100円増加し、有価証券利息(収益)が100円増加します。
公社債の利息を受け取った時は、有価証券利息で処理します。”社債の利払い日が到来し、社債利息を受け取る”どういうことなんでしょう?社債は、利息の支払日が決まっているんです。その日が来ると現金を受け取った処理をします。”期日が到来した公社債の利息”って現金のページで見ましたよね!これがそれなんです。これも現金のページで確認しておいて下さい。

 

設例6

1株110円の株式10株の期末時価は130円だった。

借方 金額 貸方 金額
売買目的有価証券 200 有価証券評価益 200

売買目的有価証券(資産)が200円増加し、有価証券評価益(収益)が200円増加します。 (130円-110円)×10株=200円。有価証券評価益は収益です。

 

設例7

1株110円の株式10株の期末時価は100円だった。

借方 金額 貸方 金額
有価証券評価損 100 売買目的有価証券 100

有価証券評価損(費用)が100円増加し、売買目的有価証券(資産)が100円減少します。 (110円-100円)×10株=100円。有価証券評価損は費用です。

 

 固定資産

 固定資産とは、長期に、会社で使用する資産のことをいいます。固定資産には、土地・建物・備品・車両運搬具などがあります。固定資産は、本体の金額以外に、付随費用も取得原価とします。付随費用には、登記料・仲介手数料・引取運賃・据付費などがあります。固定資産を売った時に、買った時よりも高い値段で売れれば固定資産売却益、買ったときよりも低い値段でしか売れなければ、固定資産売却損がでます。

 

設例8

店舗用の建物を400万円で購入し、約束手形を振り出した。仲介手数料を現金で18万円支払った。

借方 金額 貸方 金額
建物 4,180,000 支払手形 4,000,000
    現金 180,000

建物(資産)が4,180,000円増加し、支払手形(負債)が4,000,000円増加し、現金(資産)が 180,000円減少します。

 

設例9

暴風雨により建物のガラスが壊れたので、原状回復のため、200,000円を小切手を振り出して支払った。

借方 金額 貸方 金額
修繕費 200,000 当座預金 200,000

修繕費(費用)が200,000円増加し、当座預金(資産)が200,000円減少します。

 

設例10

建物の増改築を行ったが、代金300,000円が未払いである。増改築により建物の耐用年数が5年延長された。

借方 金額 貸方 金額
建物 300,000 未払金 300,000

建物(資産)が300,000円増加し、未払金(負債)が300,000円増加します。

 

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